hyla’s blog

はてなふっかーつ!

たまには思う


 昨日のお華の花を、ようやっと今日生けた。それでも翌日に生けたのだから、上出来と思うのよ。そして、今回の華は割と好きだったりもする。


 今回の材料は、
  ・帯化柳
  ・黄菊
  ・リオン
  ・ワレモコウ というもの。



 帯化柳は生け花にはよく使う素材だ。特有の太さと曲がり具合をいかに生かすかが勝負。それと、その枝振りの組み合わせだ。複雑な曲がりのある枝は、どの一本をとってもそれなりにきれい。が、一本ではお華にならない。それぞれ異なる曲線を持つ枝をどのように組むかが技というものなんですが…もっちろんそこが非常に面倒だ。


 今回、そういう枝だから留めはしやすいように水盤をチョイスした。

 水を張って、剣山を置き、最も太い枝を手に取ってみる。そこから延々と試行錯誤。ワレモコウでも迷いに迷って、ようやく生け終わった。


 で、完成したのがこれ。
 


  で、いかにもお華ってな感じのお花になったけど、個人的にはこういう渋い系は好きだ。華やかなフラワーアレンジも悪くはないけど、よりこちらの方が性に合ってはいる。
 
 
 けれど、こういう華を生ける、華を習う人は本当に減ってきたように思う。若者も働いてりゃ忙しいし、他のレジャーでも忙しいだろう。専業主婦も今や絶滅危惧種だし、何せこういうお華はある程度入れられるようになるのに時間がかかる。花代だって、毎週となれば莫迦にならない。ならば、この超不況のご時世には、お華なんかは衰退するのは時代の流れなんだけど、時に思う。
 

 花なんか飾らなくったって、生活できないわけではない。飾りたかったら、お華なんか全く知らなくても、アレンジ済みの花を適当に花瓶に突っ込んだ方がずっとお手軽だ。
 
 
 けれど、華展も含め、きちんと生けた花は、それはそれでぴしっと締まった美しさがある。そういう花が日常の中ににあることは、知らず知らずのうちに美しいものに対する感性を養ってくれるような気もするのだ。だから、悪いものではないし、ずっとどこかにこういう日本の伝統的な生け花を入れる人がいる方がいいとは思う。でも、こういう花は結構めんどくさくって、一人で入れられるようになるには、やはり10年単位の時間が必要で、それが続く人はやはり少ない。習い事をする人も減っているし、更に、気軽な習い事という気分だけでは無理なところがあるのだ。
 
 
 でも、このまま習う人が減り、生ける人が減れば、本だけでは伝わらない、生け方のノウハウはいつか消え失せる。そして、花器という器を作る人も減るだろうし、生け花の花を育てる人も成り立たなくなる。そんな風にいろんな物がなくなっていくのは、それは残念だよね。


 でも、こんだけ長く習っても未だに生けるたんびにワタクシ四苦八苦しておりまして、更にはこの世界にもいろいろ面倒な事があることもよ〜く知っておりますので、安易に「お華は楽しい」と言えませぬ。
 

 でも、ごくごくたま〜にだけど、それでもちょっとだけ思う時はある。
 こういうお華がある生活ってのも、悪くはない。(多分ね)