中学生
仕事を定時に終了することができて、出てきたらまだ明るくて、でも曇り空だったからいつもよりは暑さがましだった。少し風もあったし、夕暮れを味わいたくって、寄り道をして海まで行った。
海の向こうはうっすらとかすんで、小豆島のむこうに見える空には雲も出ている。それから、東の方には教科書に出てきてもいいような入道雲が出ている。岡山と、徳島か兵庫のあたりでは雨が降っているんだろう。なんだけど、ここの空には薄い雲しかでていなくって、雨は降りそうにない。でも湿度は結構高くて暑い。風も、さっぱり感のない風だ。
海の堤防のところには、白いヘルメットがかごに入った自転車が数台止めてあって、中学生も来ているようだった。
堤防に上って、ゆっくり浜辺へ降りていくと、
「うわっ、やばっ、きたきた。」
とか声がしてしきりに焦っている。
ん?と思ってみると、河口にほど近い海で、裸の中学生が泳いでいた。引き潮だし大潮に近いから、深さは腰のところくらいしかない。あんまり暑いから、帰りに泳いで帰ろうって、事になったんだろう。で、海まで来てそのまますっぽんぽんになって泳いでいて、人が来て焦ったらしい。スリルを楽しみつつ気持ちよく泳いでいたんだろう。邪魔するつもりは無かったのだけど、悪いことをしちゃったかな。一応見ないふりして、別の方向の海岸をゆっくり歩いて、海の風を楽しんでみた。
帰りに再び同じところを通ると、中学生達は今度はTシャツを着て、泳いでいた。
止めてあった自転車は少し暴走族的変形が加えられていて、多分中学校ではワルとして先生を困らせているんだろう。で、勝手に海で泳ぐことも、悪ガキんちょの悪さといえないこともないけれど…。
邪魔しちゃったね。
でも、潮で流されないように注意はしてね。