hyla’s blog

はてなふっかーつ!

多分アナバチ


 昼過ぎ、実験に使うべくアリを採集しに屋外へ出た。けれど、この暑さと乾燥に、この間までわんさかいた場所もことごとくおらず、暑さ対策か、いてもずいぶん地面の深いところにいて、あまり採れなかった。

 
 どうしよう…、と思いながら歩いていた時に目についたのがこんな穴だ。

 

 木下にあって少し盛り上がった乾いた地面に、こんな穴がびっくりするほど並んでいる。穴の大きさは1センチ弱だから、これはセミの穴ではない。でも、アリの巣穴でもない。

 なんだろ…?

 と覗き込んでいたら、静かに少し大型のハチが飛んできて、そのままあっという間に穴に潜っていった。

 と言うことで、狩り蜂の巣穴だと言うことが判明した。



 職場の敷地では、頻繁にジガバチが穴を掘っているのを見たことがある。けれど、今回来たハチはジガバチではなくて、こんなハチだった


 大きさは2センチくらいだろう。穴のないところに降りた個体は、しきりにおしりで地面を探っている。穴を掘ってもいいかどうか、チェックしているようだ。それから、穴の入り口で、必死に砂を掻きだしているのもいる。地面に降りて、穴に近づこうとした個体に対して攻撃をしかけるのもいて、よく見るとそこいら中にこのハチが飛び交っている。


 少し離れたところをヒトが行き交うのだけど、別に誰も何も気にしない。ハチもまた、自分の事に必死だ。


 しばらくしていると、今度は自分の体長ほどもある緑の塊を抱えたハチが地面に降りた。あれ?っと見ると、緑の羽と足が見えて、どうもアオマツムシっぽい感じだ。慌てて写真を撮ろうとしていると、その間にそのまま咥えて穴に潜ってしまった。あの虫はきっと麻酔されているのだろう。そして、卵を産み付けて穴をふさぐのだろう。

 
 穴は、至る所に開いていて、ざっと数えただけで4.50個はあるだろう。もうすでに卵を産んで閉じた穴もあるだろうから、本当に相当来ている事になる。これほど集中していると言うことは、ここがよっぽど産卵に良い場所なのか、他に適当な場所がなかなかないのか。
 うちの敷地内にはたくさん木があって、そこにはアオマツムシがたくさんくる。それから、近くには田んぼも空き地も藪も低いけど山もある。そりゃ、餌には困らないだろう。けれど、ほどよく日陰で乾燥し、踏み荒らすものもいなくて、でも土が露出しているところなんて、よく考えるとあんまりない。だから、こんなに集まってくるのか?


 そんな事を考えつつ、少しでも良いショットを狙って、気がついたら1時間以上ハチを眺めて、いい加減熱中症になりそうになって部屋に戻った。
 

 はっきり言ってバカだ。
 

 でも、狩り蜂についての美しい文章を書いたファーブルの気持ちがよくわかる。あるいは、岩田久二雄も同じように「ハチの生活」の中で、「夏の川原でハチの行動を見ていると、何がそんなにおもしろいのかと言われると困るのだけど、とにかく面白くて、そのおかげで学校を怠けて留年になった。」ってな感じのことと書いていた。
 うん、その気持ちはとってもよくわかる。

 
 本当にこうやって、何の役にも立たない生き物を眺めて、それについての知識が少しずつではあっても自分の中に着実にたまっていくことが楽しい。生き物の世界が、明瞭な輪郭をもって見えてくるその瞬間がとても好きだ。


 で、生き物を知る上でとても大事なのが、その生き物の名前をしることなんだけど、さて、これは何バチであろう?穴を掘ること、マツムシとかキリギリス系統を狩ることからして、アナバチだろう。けれど、ハチの識別って本当に難しいし、手元には図鑑もないし、学芸員に聞こうにも博物館など当県にはないのだ。
 ネットで検索しまくった感じでは、下記のページに出ているキアシハナダカバチモドキに似ている気もするが、何せ素人なので当てにはならない。
 キアシハナダカバチモドキ
 


 この写真で同定できる方がいらしたら、教えてくださいまし。