hyla’s blog

はてなふっかーつ!

鳩山首相と夕張希望の杜

 昼過ぎ「鳩山首相が退陣やって」と口コミで情報が伝わってきた。このところの報道のされようでは持たないかな、と思ったけれど、やっぱりこうなったか・・・。

 これで鳩山首相も含め、ここ数代日本の首相は1年と持たないということになってしまったのだけど、こうなった原因の一つにはマスコミの報道の仕方があるのではないだろうか。高支持率を誇り政権がスタートしたところからかなり懐疑的で、政権内で意見のぶれがあったりすれば、ここぞとばかりにそれを大きく報道する。それこそ一挙手一投足にだめ出しをする、鳩山内閣ダメダメ報道ばかりでしかない。
 昨日の朝日新聞では、各県の民主党に鳩山退陣を望むかどうかアンケートをした結果が報道されていた。その結果は「13都道府県の党が退陣を望む」とあった。が実は19県は続投であるのだ。でも「退陣を望む」の方が小見出しになっていて、要するにそういう流れを創りたいのだな、と思った。

 首相は公人だけれど、それでもこういうスタンスの報道をすれば、ほとんどの人は心が折れるんじゃないだろうか?少なくとも、私なら絶対にそんな思いをすれば、誰のために何のために自分はがんばっているのか、と思う。全てのやる気を失い、うつになると思う。
 だから、ここ数日の報道の具合は気になっていたけれど、実際に辞めちゃって、もう少し、がんばって欲しかったなと思う。


 そして、更に思うのだ。これで民主党では首相選を再びやる羽目になって、その間の国政の運営はどうしたってこれまでと同じには行かず、対外的にも「ダメやなあ」と思われ、鳩山首相は政界からの引退を表明しているから、首相をしようかという人材がまたいなくなる。
 今の日本って、そんな事をしている暇はあったのか?この件で一番損をしたのは、日本じゃないのか?
 鳩山首相の内閣のままで、それぞれができる限りの努力をし、それを応援するべきではなかったのか?

 今の日本の政治ってアメリカもそうだけど、相当難しい状況で、そんな状況の日本の政治を引き受け、困難覚悟でがんばろうとし、がんばってはいたのだろう。もちろん、政治家として甘過ぎるところもあっただろうし、正直すぎるのもあるだろう。けれど、嫌な仕事をやってくれている人に対して、それはないだろうと思うような報道の仕方だなとよく思った。

 安倍首相の辞め方に比べればましだし、福田さんよりは少しは仕事をした。そういうところはそれはそれで評価し、ダメだと思うならそれを分析し、意見を表明すればいいのにと思う。けれど、今のマスコミは、それをせずに攻撃ばかりをするように見える。もし、適当な評価ができない、それだけの仕事しかできないなら、マスコミ自身も相当劣化しているのだと思わざるを得ない。


 

 帰って、ネットでニュースを確認していると、同じ日のニュースとして夕張市民病院がなくなった後を引き継いだ「夕張希望の杜」という診療所が自殺者の救急搬送を拒否し、それに対して市長が遺憾の意を表明した、と報道されていた。それだけで、それに対して論評はない事実のみの報道だ。

 この夕張市民病院の問題は、確か報道特集かなんかで見た覚えがある。財政破綻し、立ちゆかなくなっってなくなるはずの夕張市民病院に対して、別の地域からのお医者さんがやってきて、何とか地域医療を存続させるべくがんばっているということだった。
 それを見たときに、「熱意はいいけれど、大丈夫かな〜」と心配に思った。

 そして、久しぶりに聞いたこの報道では、「救急拒否」って事で話題になって、「市長は遺憾の意」ってことで、しかも、常勤医が今年に入って一人とか。それじゃ、あのお医者さんは、孤立無援で一人がんばっているんじゃないだろうか。この報道はそういう状況を更に加速してしまう効果が抜群にあるんじゃないか。完全に折れてしまう可能性が高いし、そうなったときどうするんだろう。


 ネットが広がって新聞等のマスメディアが危機に瀕しているといわれている。だからこそ、メディアに携わる人はマッチポンプじゃいけないし、むしろこれまでより更に上質の情報を提供する事を求められているんじゃないだろうか。報道の持つ意味を考え、明快に、様々な可能性を正しく伝える必要があるんじゃないだろうか。

 mixiツイッターなんかのネットが発達しても、私はマスメディアの必要性はあると思う。少なくとも、ないよりは合った方がいい。だから、もう少し考えて欲しいと思うのだ。
 


 次の首相が菅さんでも誰でも、少なくともこの困難な時代に立ち向かおうとするんだ。少なくともそのことには応援するべきだし、業績は業績として評価し、失敗は的確に分析すればいい。
 
 子供でも誰でも、批判され叱咤されるだけでは伸びないし、本来の力を発揮する事もおぼつかない。やったことはきちんと評価し、失敗は分析して同じ徹を踏まないということしかない。批難・罵倒しつづければ伸びる、なんて聞いたこともないはずだ。


 だから、誰が首相でもとりあえずは応援するし、夕張希望の杜の人も、それからマスコミの人々にもがんばって欲しい、と思う。