ナメクジを見る

　朝からしおしおと霧雨が降った。まだ冷たい雨だけれど、しっとりとした空気は悪いものではない。傘を忘れて出勤したので、お昼はそんな霧雨の中近くの店までパンを買いに行った。

　メガネに水滴がつくのは困りものなんだけど、展開したばかりの葉先を飾る滴を楽しみつつ歩いたとき、ふと何かが気になった。道に面した石壁に、何か違うものがある。

　近寄ってかがみ込んでみると、これがナメクジ。ちょうど雨に濡れた部分に、4匹ほどいて、そのうち2匹はつながっている。つか、これ交尾だよね。

　じっとみても、これがつながったままじっと動かない。背中には、うっすらと黒い縦筋が2本確認できる。でも、甲はない。甲羅がないなら、チャコウラナメクジではないと思う。チャコウラ意外に知っているナメクジというと、ヤマナメクジしかいない。職場の複数の場所でヤマナメクジはみたことがあるけれど、これもヤマナメクジでいいんだろうか？ヤマナメクジは大型のものなら10ｃｍを越えて、その大きさにとてもインパクトがある。けれど、そこにいたのは、チャコウラとほとんど同じくらいで、伸びて７cmくらいだろうか。10ｃｍを越える個体がいる中で、これはそれほど大きくない。交尾をしているということは、これでも性成熟しているのだろうか？これがヤマナメクジとして、交尾産卵は今時期なんだろうか？生活史はどうなっているんだろうか？

　ぼーっとそういう事を考えながら、道ばたでじいっとナメクジの交尾に魅入った。

　雨が、強くなり始めて寒くもなったので、濡れながら帰った。

　変な事をしてた訳ではない。上記のような事を考えつつ観察をしていただけなのだ。

　とはいえ、はたから見れば怪しかろうなあ・・・。