黄金の狩人
夕方家に帰ると、郵便受けになにやら入っていた。
これ。
- 作者: ロビン・ホブ,鍛治靖子
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キター( ・∀・)
待って待って待って待って、ようやくファーシーアシリーズの新刊が着たのよ。来た来た来た来た。
ということで、夕食もそこそこに包みを開いて本を取りだした。なぜだかご丁寧に一冊ずつ梱包されているもんだから(楽天ブックスのやることはわけわからん)、いらいらしつつ本を取りだし、本を積み上げる。でもって、ぺーじを見ると一冊だいたい300ページ。と言うことは、3巻で900ページ。うふ、うふ、楽しみ〜。しかも週末。これは読むしかないでしょう。
で、コーヒーを入れて、ストーブの前に鎮座して、毛布をかぶって読み始めた。
隠遁生活を送っているフィッツの元にシェイドが来る。スターリングが来る。道化が来る。うん、このあたりは何となくわかっている。
何となれば、待つのに耐えきれず原書を買ったから。そして、このあたりまでは何とか読んだから。でも、このあたりで挫折したのよ。だって、物語が全然動かないんですから。
日本語でも、このあたりまではいささか退屈。これまでを解説しつつ、暗雲が立ちこめてくのだけど、それだけが長いわ。まあしかし、物語が900ページですから、最初の100ページは前振りの分量になるのもやむを得ない。
しかし、そこはやっぱりロビンホブ。二巻目に入ると、一気に物語は動き始めるのだ。本当はフィッツの息子であるデューティフル王子が行方不明となり、技でその消息を探り、道化とともにその行方を探る。途中でかつての別の世界に迷い込んだりしながら、ページ数からしてこれで終わるか心配させて、でも張られた伏線が最後にきっちり生きてきてちゃんと終わるのよ。その爽快感。いかにも玄人の作品です。楽しませてくれる。
けれど、と言うべきか、爽快だけどやっぱり読後感は切ない。だってですよ、ナイトアイズがいなくなってしまうなんて。ヒトの寿命に比べれば、イヌやオオカミやそういったものの寿命はずっと短い。それはわかっていても、ほぼ一体化するほどに常にそばにいる存在に去られるというのは、切ない。そして、それがナイトアイズという存在だからこそ。
さらに、今作では猫の存在が魅力的で切ない。「あたしのものよ」と話しかける猫の意志は、いかに猫的で、また「私を殺して」と飛びかかってくる名前のない霧猫はとても悲しい。そして、死んでた小さな猫の体からでてくるおびただしいノミの存在は、ヒトの醜さを象徴する。今作では、そういう動物たちとの気による交流が非常に魅力的だった。
そして、一気に読み終えたのだけど、だけどこの作品は終わったけど、全然終わってない。これ自体大きな物語の前振りになってしまっているじゃありませんか。かなり伏線がまだ解決していない。この伏線はどうなるの?つか、2巻が読みたい!
つーことで、次回作は後書きによると、「近刊予定」なんだけど、この「近刊」・・・て、少なくとも1年以内でないとこらえんぞ!
後書きには「応援よろしく」とあるので、応援いたします。是非とも、とっとと出版してくださいまし。よろしく東京創元社さん。