hyla’s blog

はてなふっかーつ!

フリーター家を買う


 週末に向け、図書館でこれを借りてきた。

フリーター、家を買う。

フリーター、家を買う。



 まあ有川浩ですから、軽く楽しく読めるだろうと・・。
 で、予想に違わず、さくっと読んだ。図書館戦争ほどではないけれど、スイート。

 
 登場人物は、始めは嫌みな感じで出ていても、どの人も結局は善人。そして、フリーターだった主人公が心を入れ替えて地道に努力を始めた途端、特に就職後は、何をやってもうまくいくんだな。そして、タイトル通り母親の為に家を買うことが出来、有川浩だからラブコメもきちんと入っている。だから読後感はほんっとに良い。

 
 大人的突っこみを入れれば、そもそもご近所がネチネチと10年以上に渡って嫌がらせを続けるあたりにやや説得力が乏しいし、嫌な奴だったお父さんも性格が改善しすぎている。新しい職場の人は善人すぎるし、何事もそうそううまく行く事はあり得まい。

 
 でも、現実の世の中は確かにもっともっと割り切れなくて、嫌なことだって多くて、たとえ誰が悪いわけでもなくても問題は多々おきる。だからこそ、こういう楽しい物語が必要なのかもしれないなとも思う。

 
 ほとんど嘘とは思っていても、人は希望を持っていたいものだ。
 
 
 この作品には結局善人しか出てこず、とてつもなく性善説な話だ。世の中が本当にこうだと若者に思ってもらっては困るけれど、でもダメダメでも希望を持って頑張ることこそが重要だ。少なくともそれぞれが自分の置かれたその状況において精一杯の努力をきちんとしなければ生きていけないし、努力をするためには希望が必要だから。頑張ってもダメかもしれないけれど、頑張らなければもっとダメなのが現実だからなあ〜。

 

 と言うことで、いささか恥ずかしい程に、けれど明るく前向きなお話です。

 こういうスタンスの本も、それはそれでアリかな〜。