ハーバードビジネススクール
- 作者: フィリップ・デルヴス・ブロートン,岩瀬大輔,吉澤康子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/05/21
- メディア: 単行本
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正月に備えて図書館で借りた本のうちの一作。たまにはこういうジャンルも良かろうと借りてみた。
基本的にハーバードビジネススクールの体験談なので、読みやすいし、文章もこなれている。門外漢なだけに、ビジネススクールとはそういうもなのか、と始めて知ることで興味深い。
一流の教授と、優秀な学生ばかりだから出来ることかもしないが、基本的に様々な具体的ケースを取り上げて、それについてクラスで討論しながら学ぶという形式は、非常に効率的で実践的な学習だ。そういう学習を通して学んだ考え方、手法は実際ビジネスの現場でも役立つのだろう。
けれど、目的は何か?問題は何か?と理詰めで考え、一瞬たりとも無駄にしないように、趣味や交際さえも人脈作りと考え、将来の金儲けの為に努力する、それは確かに息苦しい。
時間を無駄にしないことはそれはそれでいいけれど、全てが「金儲け」の為というのはついて行けない感覚だと思った。著者は、「金儲け至上主義」と言うべきハーバードビジネススクールの価値観は、そこで学ぶ「勝ち組」たる学生を「もっともっともっともっと」と現状に満足することなくあおり立て、それによって代えって不幸を呼び込むと語る。その価値観に飲み込まれる事こそことが目的だと思っていてさえ、気がつけば人間として家庭生活が崩壊する。
ま、要は何事もバランスが大事と言うことかな〜。