いきなり冬
昨日は一日、時雨だった。何もかも濡らして、その上木枯らしが吹き始めた。冷たい雨の音と、大きな風の音が交互にして、起きるとすっかり冬の風情。
空の色はがひときわ青くまぶしくて、でも冷たい空の色。昨日まで咲いていた秋明菊も散ってしまって、今度はナカガワノギクの花が咲きそうだ。庭のそこここのジョロウグモも、動きがずっとずっとゆっくりになって、もうすぐ産卵して死んでいくのだろう。一週間ほどま前からジョウビタキが庭にいる。それから、近くの川の茂みには、コガモが隠れるように浮いていた。
うちのジョジョちゃんは、冬に向けて立派なアンダーコートを生やしているくせに、日中は日向ぼっこ、夜には人間の布団に潜り込んで寝ている。
もうセーターだの暖房器具が似合う感じになったのだけど、そういうものの準備や掃除や草抜きや、そういったものをしばし放置して庭の紅葉し始めた木だの、近くの川とか田んぼとかをぼーっと眺める。
昼からは、何もかも放置して近くの山にでも行こうか。
そうやって、もう少しは今より優しかった自分に戻りたい。
けれど、それも、できない・・・。