hyla’s blog

はてなふっかーつ!

コオロギ


 夜テレビを見ていると、畳の上で動くものを見つけた。

 小さな黒い影は、よく見るとコオロギだった。エンマコオロギはよく知っているが、それよりはかなり小型で薄い茶色をしている別種だ。咄嗟にそっと掌を置いて捕まえようとしたら逃げた。また、追いかけて今度こそ逃がさないように、けれど痛めないように注意深く手を置いて、捕まえた。
 念のために、逃がさないように掌の中を覗いていることを確認してみる。それから、裏口を開けて草むらに放り込んだ。

 
 
 それから、奴の出所に思いあたって玄関まで行ったけれど、玄関はただ静かで、昨日までのうるさく賑やかだった虫の声はしなかった。ということは、やっぱりさっき逃がしたあのコオロギが昨日まで毎晩賑やかに鳴いていた個体だったんだろう。
 


 秋になると、(田舎だから)バッタやらコオロギやらそれはもう到る所で見るように成るのだけど、そういう虫の中にはどういうわけだか家の中に入り込んでしまうものいる。先日も仕掛けたゴキブリホイホイを覗いてみたら、コオロギがかかってしまっていてしかも既に死んでいて、何ともできずとても残念だった。

 更に2.3日前から玄関にも鳴く虫が入り込み、夜8時をすぎるくらいから「ギーギーギーギー」と賑やかに鳴き立てるのだった。玄関だからそれなりに反響して大きな音で、しかもエンマコオロギのコロコロという音のような音楽性が今ひとつなない音である。しかもただ一つの取り柄が、鳴く時間が長いということだった。そのパワフルさには恐れ入るのだけど、外の虫が鳴きやんだ10時過ぎになってもまだ泣き続けていて、ついついこちらが心配になるのだ。


 「そんなに鳴いてエネルギーの無駄遣いじゃね?しかも、家の中だから雌はいないのに・・・。」


 で、何とか出してやろうと玄関の物陰を見てみるのだけど、見つけることは出来なかった。




 そういう奴が、なぜだか灯りのついた居間までやってきて、私とでっくわして、で外に出ることになったわけだ。

 


 

 鳴いて鳴いて、でも雌はいないと思って、新たな場所を開拓するべく移動していたんだろか?それとも、単に光に誘われた光走性なんだろうか?



 いずれにせよ解決はした。けれど、静かになった玄関を何だかとてもつまらなく思った。




 ジョジョを誘って、虫の声を聞きに川にでもいくべ。