hyla’s blog

はてなふっかーつ!

逃がした魚


 8月の頭にとある講習会に参加した。内容は「アリ」。地面を這っているあの「アリ」についてである。

 アリの専門家である香川大学農学部伊藤文紀先生という方の指導の元、
  ・アリの同定
  ・アリの社会について社会生物学的な話
  ・アリの巣を用いて、観察、実験
 というのが大まかな内容。


 伊藤先生という方はなかなか研究者としても優秀な方でかつパワフルで、面白かった。


 で、先生は実験用にたくさんのアリの巣を持参されていたのが、そこで見たアリの巣は、A4くらいの大きなプラケースの中に薄く石膏を敷いて、更に中に小さなプラケースを入れたものだった。アリはその内部の小さなプラケースに巣を作っているのだが、透明だから観察がとてもしやすい。中のたくさんの卵や幼虫、女王やメジャーワーカー、マイナーワーカーの活動や形態の違いなんかがとてもよくわかる。

 
 これは、面白い!


 と言ったら、私の参加出来なかった第1回で作って余っていた分の新品のアリ飼育セットをくれた。


 となれば、後はアリの採集である。昨日ようやく時間ができたので、炎天下の庭の鉢を探した。大半のアリはさほど深くない地面の浅い所なんかに巣を作るというけれど、浅くても地面を掘るのは面倒だ。と言うことで、庭に放置している空いた鉢を端から持ち上げて見たのだ。これまでの経験から言うと、重ねて放置された鉢の中には、しばしばアリの巣が出来る。卵や蛹も見るし、そしたら女王も必ずいるから、それをそのまま一網打尽に採集すれば楽。

 

 と言うことで、アリの巣は案の定すぐに見つかった。「赤アリ」と呼んでいる小さな茶色のアリなんだけど、これは「オオズアリ」だろうか?


 巣を暴かれて混乱するアリをそのままプラケースに入れて蓋をしてしばらく見ていると、すぐに内部の巣用の小さなプラケースに自分から集まり始めた。どんど幼虫や卵を抱えて運び入れる。よく見ると、中には明らかに大きな個体が数匹いて、これが女王だろう。女王がいれば、これでうまくすれば数年飼える。落ち着きを取り戻した所で、中に入った土を出して、これで採集終了。


 じいっと眺めていると、ワーカーや女王の行動が興味深い。雄アリもいて、どこまでコロニーを大きくできるか楽しみ。



 で、しばし眺めたところで、餌をやりたくなった。餌は、やっぱ昆虫?と言うことで、庭に出て、このところ山ほどはねているバッタの子供を2匹捕まえて放り込んだ。そして、落ち着くよう少し新聞で覆って、涼しい玄関に置いておいた。






 そして、今朝わくわくしながらプラケースを見ると・・・・・・・・・・・・・・何もいなかった。




 あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?








 よく見ると、バッタを入れた時、わずかに蓋がずれていた。その隙間から一晩のうちに全ての個体が逃げたようで・・・orz。










 チクショー。逃がした魚は大きい。手に入れたと思っただけにショックう。





 ああ、人生ってこんなもの?
 
 で、でも、・・・・・もっぺん頑張るもん!次はにがさんぞ〜。