ヤフオクなるもの

　私はどちらかというと、古いものが好きだ。骨董というほどではなくても、古いものは好き。そして、お茶だのお花だのをやっているし着物もすきだ。となると、その分野の良いお道具を目にすることも多くて、妙に目が肥えて、欲しく成っちゃうんだよな。

　しかし、特にお茶の道具は高い。あんなもの、すぐに100万近くに成るわけで、本気になるなんて恐ろしい事はできません！

　
　その一方、つい見てしまうのがヤフオク。検索でひっかかると、ついついいろいろ覗いてしまう。しかし、何とも手続きがめんどくさそだし、リスクもあるし、ハマルのも恐いしと言うことでこれまで手は出さなかった。

　
　しかし、このたび遂に手を出してしまいましたよ。遂にやふおくでびゅー！

　きっかけは、そこに出ていた「蛸壷」。ちょうどお花に良さそうな蛸壷が、それも海の中でほどよくふじつぼが着いた蛸壷がそこそこのお値段で出ている。これは、欲しい・・・。更に、何となく「華道」とか「花器」で検索してみると、おしゃれなのが一杯。華道用の花器は、最近は華道を習う人口が減ったし、商店街が衰退して荒物屋さんと陶器屋さんが減って販売網がなくなり、とにかく入手しづらいのだ。特に、華展にも使えるようなそこそこの花器なんて、なかなか探してもない。もちろん、花は花器でなければ入らないものではない。何でも水さえ入れば花器なのだ。しか〜し、陶芸家がきちんと使いやすさも配慮してつくった花器は、やっぱ良いのよ。そして、それがそこそこの値段で一杯でているヤフオク。　ああ、はまる・・・。

　もとより、熱中癖がある。嫌な事があると、特に他の事に熱中したいのは、お約束みたいなものだし、ついつい、ついつい、やめとこうと思うんだけど、ついつい入札しちゃう自分がいる。もちろんそんなに高いものは買わない。けれど、欲望が刺激されるねえ。

　でも、最近では、「欲しいもの」が思いつかなくなっていた。大昔のコピーじゃないけど、「欲しい物がほしい。」って言いたい気分だったのだけど、こうやって見ていると、まだ欲望ってものはあるんだな、と思う。ヤフオクには、購買欲を掻き立てるものがあるのは確か。欲望こそが人間を歩ませる原動力と言えなくもないので、それ自体は決して悪いことではない。また、「買う」ことだって、悪いことだけではない。最近の経済情勢を考えてみても、消費を絞り込むばかりでは経済活性化は望めない。お金が動いて、物が動いて、始めて経済は動くのだろう。
　と思う一方で、はまってしまうのは危険だろうけど、そういう自覚を持ちつつ利用するのはアリかなと思った。

　
　まあ、始めたばかりだから、今が一番何でも珍しくて楽しんでしまうのだろうなあ。

　ああ、でも、こんなに簡単なら、ついでに家にある、あれもこれも処分したい・・・。