不老不死のサイエンス
これを読破した。
- 作者: 三井洋司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 新書
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こちらは知人から借りた本だ。あるイベントで配られたものだが、著者である三井洋司さんといういう方の話は面白く聞き応えがあった、ということで、その本を借りてみた。
ところが、読み始めるものの、なかなか進まない。今時の新書だし、たかが200ページなのに、第一章がクリアできなくて、読みかけては放置してしまうこと数回。ゆっくり時間のとれた今回、ようやっと読破した。
で、それほどまでに手こずった原因はどこにあるのか、というとやはり第一章だろう。章立ては以下のようになっている。
- 基礎知識編 寿命の謎にご招待
- 最新の知識編 ここまでわかってきている
- 未来の知識編 こうすれば寿命はぐんぐん延ばせる
で、基礎知識編で手こずる。というのも、あまりにも話が散漫になっていて、ちょっと詳しくなると「これについては第二章」というのが多すぎるのである。あれもこれもの羅列な感がして、嫌になるのだ。
で、今回は時間もあって、なんとか第一章をクリアすると、第二章は割と良かった。自分の研究について、細胞の寿命についてどのようにそれを得るか、更に採取した年齢事に血管内皮細胞の分裂回数が決まることなどは、楽しく読めるしグラフと共にあって判りやすい。また、テロメアやテロメアーゼについての話や、胚性幹細胞、体性幹細胞の話もわかりやすい。
で、最後の章は、何だか今ひとつ。研究成果を元に寿命を延ばす方法について言及しているけど、未来の知識というなら、ここにiPS細胞の話なんかを入れた方がよくないだろうか。また、安易にサプリメントやホルモン療法に頼る危険性についても述べているけれど、自分の興味はそこにはあまりないせいか、わざわざ一章を割くには余分な感がした。
一般の人向けに、「最新知識を判りやすく解説」することに主眼をおいた本としてはしょうがないのかもしれない。けれど、あまりにも「解説」に終始してしてしまい、散漫な感じになってしまっていて、もっと焦点を絞った方が良いのでは思っった。研究者として寿命について研究することがどれほど面白いのか、何にわくわくしたのか、そういうところを中心に研究の歴史を振り返るような形で語る方がもっと楽しく読める本になったのではないかなあ。
ちなみに、本来の寿命(約100歳)まで生きるように留意事項は腹七部目で、赤ワイン(ポリフェノール)をとりつつ、適度な刺激とストレスを与えることだとか。
自分を振り返ってみると、なかなかストレスフルな毎日だし、お酒は嫌いで、ストレスに対してはついついやけ食いするタイプなんだけどな〜。
長生き、できそうもないです。orz。