本を読んだから・・
クリーニングを出した。出したのは、カシミアのセーターとかニットジャケットとか・・・。
すいません、すいません、すいません。冬物を今まで放置してたのはあたしです(えへっ)。
全く何をしてるんだか、どんだけルーズなんだか、って自分でも思う。備忘録何ぞをみてみると、4月の終わりには「クリーニングをまとめる」って書いてあって、二重線で消してある。ということは、その時点でまとめたのにもかかわらず、それからずうっと部屋の隅に放置されていた訳だ。埃はするし、そもそもヒメカツオブシムシが来るって!
もちろん、忘れていたわけではない。部屋の隅のその存在は、常に気になる存在なんだけど、なんだかんだの忙しさを理由に(実際忙しかったのよ)、そして、何よりそれを放置する自分と向き合いたくない!ので、あえて目に入らないふりをしていたというのが正解。
更にそこまでして行きたくなかったのは、クリーニング屋の会員資格が切れていたことと、何よりどうせ困るのは自分だけ、というある。困るのが自分だけなら、まず休んで仕事用の英気を養う事を優先する私・・・・。
けれど、確かにいくら何でもあんまりだorz。
と言うことで、今日やっとクリーニング店に行ってきた。
クリーニング店も、最近は個人経営が減って、大手が大規模スーパーと同じ敷地に小さな取り扱い所を出しているケースが多い。私も、これまではそういう所に出していたのだけど、今回は近所の個人店に出した。
個人店というのは、どっちかと言うと避けてきたパターンだ。顔見知りになってしまうと行かないのが悪いような、良くも悪くも濃い関係は不得手。けれど、この本を読んで、個人店も悪くないかな、と思えて行った。(長い前振り・・・・。)
- 作者: 坂木司
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/05/30
- メディア: 単行本
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で、著者は確か「ひきこもり探偵」のシリーズを少し読んだことがある。さっぱりとした探偵もので、かすかにBLにも通じる雰囲気を感じさせる作風は悪くない。この作品もシリーズは違うけど同じ傾向だ。
主人公のは父親が死んで、大学卒業後自宅のクリーニング店を手伝い始めた主人公新井君が、同じ商店街で喫茶店を営む友人の沢田と共にの日常生活の中で出会う謎を説いていく話。謎はクリーニング店を訪れる人の抱える問題でもあり、問題が解決することによって主人公も含めて皆少しずつ前に進み成長していく。そして、平凡ではあるが素朴で暖かい「商店街」という地域社会の営みがそこにはある。主人公である新井君は、ひどく素直で優しい。いろんな人に見守られて成長し支えられているが故に素直で、だからこそ自分も困っている人にお節介を焼いて、そして問題が解決されていくのだ。そして、そういう人間関係を繋いでいく、「切れない糸」をつくることの良さを主人公も知っていく。
一方探偵役である友人の沢田は、それぞれ抱える問題=謎をいとも鮮やかに解いていくのだけど、主人公のような健全な「切れない糸」が自分にはないことにトラウマを感じているようだ。そういう沢田の主人公に寄せる気持ちは、ぎりぎり憧れで止まっているけど深読みすればBLな「愛」。でも、主人公はそれに微塵も気がつかないし、健全素朴な友情を沢田に持っている。
ね、そういう読み方をすれば、これは立派にBLの黄金パターンっしょ。
けど、それはそうも読めるというだけど、もちろんそんな事を思わずごく素直に読んでもいい。読後感もわるくない。
また今作では、舞台が商店街の個人営業の「アライクリーニング」なので、各所にクリーニングの蘊蓄が書かれ、読んでいると、単なる取り扱い店ではなく、技術と豊富な知識を持った人の集まりによって成り立つ個人店ってのも悪くないかも、と思えてくるのだ。
と言うことで話は戻って、久々に個人経営のクリーニング店に出してきました。
料金も恐れていたほどではなかったけど、やっぱりあまりにも季節外れになるような出し方はやめた方がよいとつくづく思いました。
やっぱ、恥ずかしい・・・・よな。