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本を読む


 こんな本を読んでみた。

 

スターバースト (ハヤカワ文庫SF)

スターバースト (ハヤカワ文庫SF)

 少々古いが、book offの100円本だからねえ。でカバー裏の解説に「傑作」と書かれていたのでかったのだけど、あまりの厚さに途中で放りだしてしまって未読だった奴だ。でも、改めて読んでみて文章というか、前半は悪くない。


 いきなり主人公が狙撃されてしまうシーンから始まり、それが何度も生き返る。描写から、どうもナノテクで生き返っているらしいなあ、と思ったら、主人公は脳の半分を吹き飛ばされてしまい、いきなり記憶喪失。


 殺されるところから始まって、ナノテクによる復活って、これってかなり似た作品があったぞ。


 とにかくのっけから謎・謎・謎のオンパレードで、自分は何者か、誰にねらわれているのか、誰が敵で、誰が味方か。どっちかというと、あんまり強くもない主人公がへろへろしながらその謎に挑むわけ。そういう主人公を初めとした登場人物達の表現が、ちょうどサスペンスか推理小説を読むような感じで、読みやすい。ま、その分登場人物の達の感性が、SFっぽくないっちゃ、そりゃまあそう。

 
 恒星の崩壊とか、ゲイトウェイとか、超ひも理論とか、体内を巡るナノテクと会話したりといったおなじみのSF的なガジェットがそれなりにきちんとはめ込まれているけど、そういう設定を生かしたハードSFではなくって、古典的なSFの雰囲気が濃厚。ま、そもそも1980年代の作品だから当たり前と言えば当たり前だけど。

 
 意識を持つ恒星ってなところは、それはどうかねえという気もするけど、それでもSFとうことで、まあ許せてしまう範囲ではあった。

 

 総合評価するなら、この時代の作品としてはそこそこ悪くないと思うのだけど、amazon何かだと1円でユーズドがいっぱい出ているあたり、売れていないのかね。
 
 この作家は、この他にもう1冊「スターストリーム」を出しているらしい。これも、同じようにbook offで買い込んである。これまた、未読なのでまた読んでみよう