クラーク
クラークが死んだという記事を見た。つか、これまでご存命でいらっしゃたのか。
でも、アシモフもハインラインも亡くなって、遂にクラークもいなくなったとは寂しい限り。個人的な好みでは、ハインライン>アジモフ>クラークの順番で、クラークはどちらかというと不得手である。あんまりハードSFは得手ではないのよ。我が家に転がっている文庫本も、クラークは「地球幼年期の終わり」くらいしかない。けれど、なんだかちょっと寂しい気分になって、その古い「地球幼年期の終わり」を引っ張り出してみる。
1975年発行の創元版のその本は、もはやページの周囲は茶色く変色してしまっている。当時は斬新だっただろう科学技術の描写も、今読めばまるで円谷プロの特撮映画を見るような趣なんだけど、けれどそれでもどこか訴えかけるものがある。これが発表された時、そしてこれをリアルタイムでSFマガジンとかで読んだ人は、どれほどわくわくしたことだろう。驚かされたことだろう。
映画で見た2001年は、(わけが判らない所の方が多かったけど)とてつもなく進んだ哲学的な時代だったのに、実際に2001年を通り越して2008年になっても、未だに人間は旧態然として愚かで地球の中に閉じこもったままだ。けれど、いつか本当に宇宙に飛び出す日が来るのだろうか。少なくとも、死ぬまでに火星くらいに人間が降り立てるといいだろうなあ、なんて考えてしまった。
にしても、クラークが死んだというのに、世間ではさほど話題にならないのはどうして?
せめて追悼番組って事で、「2001年宇宙への旅」くらい放送して欲しいもんだよなあ〜。