hyla’s blog

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キジバト 

キジバト




今日キジバトを放野した。

 
写真のキジバトは1ヶ月くらい前に手元に届けられていた鳥だ。その頃は、ちょうど忙しさのピーク。それでなくても、生きている鳥、それも幼鳥のお世話は遠慮したい。だって、それはそれは手間暇かかるんでございますよ。死体なら喜んでもらう。けど、生きているのは勘弁して〜、って思うのだけど来るんだな。

 その日もいきなり人が呼びに来た。
 「ごめん。ちょっと来て。鳥の雛が落ちて来たんや。」
 「鳥の雛?今頃?何の鳥ですか?またなんで?」

 と言うことで現場に向かってみると、茂みの中でじっとしていたのはキジバトの雛。まだ黄色い産毛の残る雛で、もちろん飛べない。で、確かにピジョンミルクで子育てするキジバトは割と冬まで子育てをするのだけど、その雛がなぜ落ちていたかというと庭木の剪定をしたから。巣を作っていた木の枝が切られちゃって、親は逃げたものの飛べない雛がそのまま落ちてしまったらしい。

 慌てて周りをみても、親はもういない。既に数時間が経過しているという。巣はゴミくずと化している。猫なんかも来る所だ。「何とかして」という無言の気配・・・。


 あ〜、しょうがないのかなあ。ほんとに何とかなるのかあ。でもま、やるしかないよな・・・。


 と言うことで引き取ったキジバトを、それから育てるのはなかなかに大変であった。

 ハトの雛を育てるのは初めてではない。これまでの経験から雛が喜んで食べて、食べさせ安い餌といえばコーンの缶詰であることは判っている。どこでも手に入り、加熱してるから消化も速い。そのコーンの缶詰を用意して、雛の嘴を指で挟んで開けて、とにかくぐぐっとコーンをのどに突っ込む。突っ込めば、だいたい食べてくれるのだ。

 ハトは大きい。だからスズメに比べればぐっと餌やりは簡単。とはいえ、数時間おきにこれをするわけである。ついでに休みには連れて帰らねばならないし、お出かけなんてできない。1週間ほどすると慣れて自分から嘴で餌を催促するようになって少しは楽だったが、にしても長かったなあ〜。


 で、そういうキジバトも、もうぱっと目には親と変わらないくらいになった。餌も自分で拾うようになった。水も自分で飲む。十分飛べる。


 と言うことで、今日やっと放野したのだ。



 箱を開けると、ハトはしばらくこっちの様子を伺うようにじっとしていた。けれど、じれて少しだけ動いた瞬間にぱたぱたと飛んで、一気に向こうのアラカシの茂みに飛んでいってしまった。




 感動とか、余韻とかいうものはさっぱりない、あっけない終わりだった。


 まだ、敷地内のクスノキの実は残っているし、ツゲの木の実もある。それからシャリンバイにも実は付いているし、ケヤキの枯れ葉にも実は残っている。それから、近くには田んぼもあって、刈り残った株から出た稲には新しい実が実っている。川の中に入れば、タデ科やイネ科の実がわんさかある。だから、きっと大丈夫、と思いこんでみる。

 


 ま、今日はめでたしめでたし・・・かな?