本を読む
何となく読みたい気分になって、本屋に出かけた。
お腹がすいている状態でスーパーに行くものではない。
そして、読みたい気分で本屋に行くものではない。
気がつけば、腕にずっしりと重みを感じるほどに本を購入してしまったのであった。未読の本の山もあるというのにね・・・・。
で、とりあえず買ってきた中から読破した1冊目はこれ。
- 作者: フィリップ・リーヴ,安野玲
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 文庫
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で、これっていろんな書評というか、後書きにも書かれているけど、本当にこれってあの・・・
ジブリの次回作の原作ですか?
いやほんと、文章的には悪くないと思う。ついでに、それぞれの人物像も明確にイメージできる。あのジブリっぽい動きと絵柄でもって。つか、本気にジブリを思わせるものが多すぎ。
世界戦争で滅んでしまった後に生まれた世界で、基本テクノロジーのイメージは蒸気機関が主流の19世紀の。で、世界を滅ぼす元になった禁断のオールドテクが発掘されて・・・、って基本ストーリーは、これはナウシカ?で、飛行船乗りの東洋系の女性はアナ・ファンって、紅の豚?で、動いたり飛んだりする移動都市のイメージはラピュタかハウルで、死んで機械にされたシュライクは漫画のナウシカの巨神兵だよなあ・・・。
どう考えても、作者は気合いの入ったジブリファンって気がするのである。
まあ、でもそうだとしてもそれは別に悪い事ではない。誰しもイマジネーションの元になるモチーフはいろんな所から知らず知らず取り入れるものだし、第一作目にしてこの完成度はそれはすごい。よくできた話だし、読ませる力もある。
が、が、が、やっぱ個人的には「これってSFと言っていいのか?」という疑問が・・・・・。
というのも、そもそもの基本である移動都市というシチュエイションに納得がいかない。大きな何層にも渡って高くそびえる都市が移動するテクノロジーがあったら、別に移動し無くってもよくないか?移動する必然性に納得がいかない。だいたいエネルギーはどういう種類なの?木材を燃料として燃やすこともあるってイメージからは蒸気機関なんだけど、それで都市が動くかい?でもって、都市が都市を食うってのも・・・・・。
もし、この都市をバイオテクノロジーによってつくり出された巨大な生物で、その体に寄生するようにして生きのびた人間は暮らしているのだとかいうのなら、それはそれで理解の範囲。でも、この基本設定には同意できません!
ハウルだのラピュタだのは、基本的にファンタジーだからその辺はいいのだ。ラピュタが浮かぶのは飛行石だし、ハウルが動く理由はそれこそ魔法なのだ。「魔法」なんてものは、そりゃオールマイティに何でもOKにしてしまう。けど、もしこれがSFだというなら、ちと違うと思う。19世紀的なテクノロジーでのつくられた都市が動くというイメージは面白いが、同時にSFとしてこの小説を評価する場合の最大の難点でもあるだろう。この点に同意できるかできないかで読後感は大きく変わると思う。
ま、お話だから所詮嘘なわけで、「お話」の本当らしさを演出する場合に気にする点はおのおの違う訳なので、人それぞれでいいんでしょうけどね。
つーことで、続いてはこちら。
- 作者: あしべゆうほ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: コミック
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まったく、どこまで続くのか。このお話が始まったころ、あたしは何をしてたっけ?まあ、主人公に通常使われる名前以外に「真の名」が与えられるなんてあたりでゲドじゃん!と本格派ファンタジーだあっ、と思いつつ読み始めたのを覚えている。
で、これ以外にも延々と続くというか、まだ続いているのか、とか果たして本当に終わるのか?という漫画はいくつかある。有名なのは「王家の紋章」とか「ガラスの仮面」だろうけど、ファンタジー漫画ではこれと「妖精国の騎士」だろう。で、中山星香の「妖精国の騎士」の方は、どうやら秋田書店が遂にさじをなげたらしく、強制終了的な中途半端な終わり方をしていた。で、こっちもその類にならないかと危惧。なんたって、作者はあしべゆうほだもんなあ。「悪魔の花嫁」に「テディ・ベア」にと、中断しているというか中途半端に終わっている作品の何と多いこと。
これも長い物語になりそうだぜいって思いつつ買い始め、10巻くらいまではまあよかったものの、発売のスピードは遅いし、物語は恐ろしく壮大だし、もはや物語の把握があんまりきいてません。でもまあ、ここまで買ったのでついつい一応は買ってるという次第。頼むから、必ず終わらせて欲しいものです。そしたら、1巻からマジ読みしてみよう。
ちなみに挟み込まれた出版社の広告によると、あの「悪魔の花嫁」は再び連載が開始されたとか。まじっすか〜?
どうでもいいけど、こっちを忘れるような事だけは努々してほしくない。なんだけど恐いなあ〜。でも「悪魔の花嫁」を再開するなら、ついでに伏線がはられまくっったまま中止になっている「テディ・ベア」も何とかして欲しいものだな〜。