久々の雨

　昼過ぎから、だんだん曇ってきてそのうちごろごろと音がし始めた。だのに、さっぱり降らない。音と、だんだん高くなる湿度。乾ききった地面が、水がなくなりそうな川が、ため池が、ダムが、みんな口をあけて雨を待っているのに・・・。とじりじりしていたら、夕方４時を過ぎてようやく雨が降り出した。

　ぱらぱらっ、休み、ぱらぱら、休み・・・。

　そういう降り方を繰り返しながら、空はだんだん暗くなった。そして、涼しい風が吹き始めたかと思うと、いきなり一転して激しい雨。ぱらぱらというよりは、こんこんという音は、もしや？と見るとヒョウ。そして、「ごろごろ」は「ばりばり」に、そしてまあクラブの照明ですか？と突っ込みたくなるほどの稲光。そして、向こうが見えない白い壁のように降る雨。

　風にのって降り込む雨を見て、慌てて窓を閉めながら考えていたのは、
　「もっとゆっくり降ってくれたら、十分に地面にしみこむのに・・・・」って事。でも、これなら水が少しは回復しそうである。

　私のいる建物は古いとはいえコンクリート製。そして、避雷針もきっちりついている。けれど、さすがにパソコンは万が一を考えると恐くて、手作業の仕事を行いながら、ぼーっと雨を、雷を見ていた。ただでさえ鮮やかな緑が、みるみる勢いを増して、雨の中で揺れる。雷が光る毎に、空にはっきりと光の筋が見える。濡れないところで、ぼーっと雷を見て聞くのは好き。雨は、水は、植物の十分な成長とそれに支えられた生き物の世界の安全をもたらすのだ。

　なんて、良い光景・・・・。

　ってな事を考えながら仕事をしていると、突如、トンデモなく激しい光とその直後にバリバリっと音がした。その間２秒。

　２×300ｍ＝600ｍ。ってことは誤差を入れて、１ｋｍ圏内。方向は北西。西○か横○。うちの方だよな・・・・・。

　と考えていると、サイレンの音がし始めた。そして、空を透かして黒い煙が見える。おおっ、これは雷による火事か〜？

　
　雨が降っているから、さほど大きくは成らないだろうけど、でも方向的にもあまりにも我が家的・・・。勤務時間は終わっているいる・・・・。

　急いで車に乗って、自宅に向かった。いつものように国道から川沿いに北に向かうと、黒い煙が見える。更に近所に着いたとき、おばちゃん達が集まって声高に話しながら、向こうの方を指さしていた。

　方向が違う〜。大丈夫だあ。

　と言うことで、異常が無いことを確認し、雷に怯える犬をなだめて、そのまま仕事に復帰したのでありました。

　でもいくら激しい雨でも10分しか降らないのは違反だわ。

　もっとふれふれもっとふれ〜（雨乞いの祈り）！。