本を読む
相も変わらず、本が好き。今日もまた、帰宅するなりamazonからの段ボールをバリーっと破り、ビニールを引きちぎって本を取り出した。
とりあえず1冊目はこれ
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/04/26
- メディア: コミック
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吉田秋生は、相当以前から読んでいる。何たって、カリフォルニア物語 (1) (小学館文庫)の頃からだから筋金入り。フツーの青春漫画と思ってたら、何か違ってて痛い物語だったけど、魅力的だった。吉田秋生の作品はその頃から買っていたけど、さすがにカリフォルニア物語はどっかで整理してしまった。でも、吉祥天女はまだ家にあるし、河よりも長くゆるやかに (小学館文庫)や、夢みる頃をすぎても (小学館文庫)も好きで今でも持っている。それから短編にも味わい深いものがいろいろあった。キツネと一緒に生活する最後の狼の話や虫(オオミズアオ)の話は短編だったけど印象に残っている。クモ男が、オオミズアオの幼虫を見つけて、それが成長してそして死んでいく単にそれだけの物語だけど、好きだった。(実際オオミズアオは好きですしね。)
むろん、有名なバナナフィッシュや最近の夜叉だっていいのだけど、吉田秋生の描く、しみじみと味わい深いフツーの人の物語もすごく好きだ。そういう作品は疲れた時などに、ふと読み返したくなる。そして少し元気になる。
この作品も、そういうムードを持った作品で、雑誌連載時よりいいなあ、と思っていたしでこの際思い切って購入。そして改めて読んでみてやっぱりいい。クールな線で書かれた微妙な人物の表情から、何とも言えない思いが伝わってくる。そして異母兄弟を引き取り四人姉妹となった女達の、当たり前に家族をやっているあっけらかんとした関係がうらやましく懐かしい。それぞれにいろいろあっても何とかやっていく健全性は、彼女らの住む大きな古い木造家屋と同じで、懐かしくでも今では消えつつある家族の景色のような気もする。登場人物達は天才でもなければ悪人でもない。善人というほどでもなく、賢くもあるけど、抜けてもあり、だらしなくもある。そういう健全さがひどくいとおしく感じられるのは、年取ったからかな〜。でも、何度でも読める作品で、本を読む人に、それぞれいろんな事を感じさせることができる、というのはやはり作者の力だと思う。
と言うことで、これからも楽しみ。