hyla’s blog

はてなふっかーつ!

庭仕事


 この土日は、諸事情あって、庭掃除に精を出すことになった。草ぼうぼうの庭をはいずり回って、ひたすらに草を抜き続けるのは、なかなかにしんどい。けど、庭仕事はどうにも嫌いという訳ではない。


 基本的に凝り性だから、庭仕事に懲りまくっていたころもあって、そのころには、庭仕事の年間計画を作っておいて、休み毎に草抜きやら種まきやらして、花を植えまくっていた。今は手抜きも甚だしくって、そのころ植えた植物も大部分は枯れてしまったけれど、過酷な我が家の環境に適応したものだけはまだ生き延びていて、けなげに咲いている。
 とはいえ、更にしぶとい雑草に覆われてしまいそうだから、そんな草を手で1本1本抜くのだ。花があるから、草そりや除草剤を使うわけにはいかない。草をかき分け、花を確認して、根元をよく見て抜くのだから、まあ大変。

 


 でも、それでもやればやっただけ綺麗にはなるわけで、努力がストレートに成果に結びつく、眼に見える結果として残る、というのは、大人になると嬉しいものだ。


 

 更に、日頃見ないような所まで覗き込むといろいろなものが発見できる。



 今回も、庭の奥の杏の木の下で、とってもいいものを見つけた。



 草取りの真っ最中、杏の木の下、ギボウシの側に、動くものを見かけた。視野の隅に何か動きを感じて、とっさに手を出して捕まえたらこれがトノサマガエル!我が家の庭で殿様を見かけるのは、何年ぶりだろう。道を挟んだ隣には田んぼもあるし、花に水やりをしたりするから、カエルはそれなりにいる。けれど、アマガエルが大半で、他には僅かにツチガエルのみ。山から卵でとってきたニホンアカガエルも、いつの間にか居なくなってしまった。


 

 ところが、ところが今日捕まえたのはトノサマガエルだ。久々のトノサマ!感動だ〜!


 トノサマは昔からアマガエルよりはずっと少なくて、しかも大きさと言い色合いと言い、蛙界のプリンス(殿様)で、とても人気者だった。鳴き声も、ゲコゲコでなくって、コロコロ鳴く声がとても好き。

  
 だけど、多分もう10年は確実に、我が家でトノサマは見ていない。田んぼが減り、水辺が減り、空き地が減り、虫が減り、そういう環境では、カエルが生き延びられる訳もない。カエルは、水辺がなければ生きていけない水辺の生き物で、虫を食べ、鳥に食べられ、ヘビに食べられる。カエルが居れば、そこには大抵、多様な生き物環境が残っていると言っても良い。だから、カエルが居ると言うことは、まだ大丈夫と言うことだし、カエルが居なくなればもう危ない。だからカエルのいる風景というのは、幸せの風景だと思うし、私はカエルが大好きだ。




 捕まえた蛙は、全身を眺め倒して、それから地面近くでそっと手を開いてやると、しばらくしてびょんと跳んでそのまま草陰に入っていった。
 
 
 
 昼過ぎ、霧のような雨が降り出してきて、庭のあちこちからアマガエルのゲコゲコという鳴き声と共にトノサマの声が聞こえてきて、じんわりと幸せな気分になった。

 


 


 という訳で、たまにはタイトルにふさわしく、カエルネタなのでありました。





えと「hyla」は、アマガエルの仲間の属名ね。念のため・・・。