寝坊
夢をみていた。
なぜだか、私は自分の正当性を確信して老婆を殺しており、それについて警察の捜査の手が及ぼうとしていた。これって、ドストエフスキーだたっけな?と思ったところで目が覚めた。
何時かな?枕元の時計を叩いた。その時計は、叩くと時間を言ってくれる。
「8時6分です。」
・・・・・・・!
ぎえー!今日は月曜。8時とな?遅刻だ遅刻。どーしよう!
もう、瞬間的に目が覚めた。跳ね起きるなり、パジャマを脱ぎ捨てる。
「すまない。マルク。今日の散歩は後でね。」
心の中で我が家のイヌに「ごめんなさい」を言いながら、速攻でそこにあった服を着た。
ユニクロ製の黒のパンツに、昨日これまたユニクロで買ってきた緑のセーター。それにベージュのカーディガン。上から下までユニクロでコーディネートである。
さあ、服は着た。これででれるか?いや、まだダメ!
昨夜洗い髪で寝てしまったおかげで、髪はつんつんなのである。さすがにこれでは出られない。ざっと水で濡らし、ついでに顔も洗って、ばばっと整髪料をつけて髪をとかして荷物を持った。全く記録的なスピードである。既に時刻は8時17分。いくら近いとはいえ、25分までに入らねば遅刻だ。とにかく、車を走らせる。必死の祈りが通じたか、信号もさほど待たず、何とか22分には室内に入った。
はあああああ〜!間に合ったあ〜。
と、一息ついていると、そこにいた女性主任が慌てたように声をかけてきた。
「あっ胸、胸。」
何じゃらほい?
胸って?特にセーターに変なところはないはずだ。何たって、今日おろしたばかりだし。
?・?・? 見ても、特に何もない。
主任は、ぽけっとしている私に更に
「下、下。」と言う。
そして、言われてようやく気づいた。
あああああっ!サイズのシールがついてたよー!
そうであります。値札はとったものの、サイズのシールをつけたまま歩いていたんであります。私の胸は一応は丘陵を成しておりまして、上から見えなかったの。←言い訳
ああ、はずかし!まあ、恐らく気がついたのは、その方だけであったろう、というのが救いでございます。
という事で、何事にも余裕は大事という話でございました。