カワセミ見学ツアー
さて、カワセミ日記2日目である。
朝、出勤してすぐに、カワセミを入れた箱をそっと覗いてみた。気配を察したか、かすかに動く気配がする。そ〜っと蓋を開けてみると、怯えたように見上げるカワセミ。
生きてた〜。無事だったか!
と言うことで、早速朝のお食事。
またもや大切に飼っていた川魚水槽からギンブナを1匹。強くピンセットでつかみ弱らせて、頭からつっこんで見る。小魚とはいえ、カワセミの口には大きな魚であるからして、一口では入らない。あんぐりと口を開け、魚の尻尾を口からはみ出させて、きょとんとした顔をしている(ように見える。)。その後、自分であぐあぐと飲み込んでいった。
よっしゃ。食べた。では、仕事!
と、怒濤のように朝の仕事をこなす。
で、10時くらいになってやっと一息ついた頃、あの〜、と事務のお姉様方が4名打ちそろっておいでになった。
「カワセミがいるってほんと?」
「ええ、ここに入ってますよ。」
と、箱を開けて見せると、大受け。
「まあ、ホントに奇麗。これ、生きてるんですよね。」
「ほんまに奇麗でしょう。もちろん、さっきも餌を食べました。」
「これ、どうして?」
「多分衝突したんでしょうね。ほら、下の嘴をよく見ると、折れているでしょう。だから、元気になっても、放せるかいうたら、ちょっとねえ。これじゃ、無理かも。」
「どうするんですか。」
「う〜ん。カワセミだから餌は魚だし、素人が面倒見るのは難しいから、鳥獣保護センターやと思うんですけど、すぐは行けないし、それまで何とか水槽の魚を犠牲にしてみます。」
そう、鳥の、特にけがをした鳥の世話をするというのは、実に手間のかかることなのだ。そして、我が県の鳥獣保護の取り組みというのは、実に後進的でありまして、栗林動物園亡き後、レオマワールド内のバードパークに委託されたらしいのだが、どおやって平日そんな所へ行けと言うのか?仕事おっぽり出して、行けるわけないって。
と言うことで、鳥さんがもそもそ動く気配を感じると餌をやり、鳥さんを見に来た人がいれば応対し・・・・。あたし、忙しいかも。でも、上記のような話をすること、事故をした鳥さんの姿をみてもらうことも、鳥さん保護活動の一環として大切な事かしらん、と頑張るのだ。
にしても、保護されているのが、スズメだったりドバトだったりしたら、こんな見に来る人はいないでしょうに、カワセミというのは、超人気もの。みんな、見たがる見たがる。あまりの人気ぶりに驚きつつ、カワセミっちゃ、どうしてこんな人気なのかと考えてみる。まずは、とにかく抜群に美しい姿があるだろう。それから、(ほんとは違うけど)珍しいという認識。
カワセミは、ホントの事を言うと、水辺なら結構普通の鳥さんなのだけど、ここまで人気なんだから、鳥さん保護、あるいは鳥さんに関する興味を喚起するために、この人気を利用する方法なんてあるまいや?なんて、考えてしまった。
と言うことで、何とか本日も無事乗り切ったのである。
何とか休みまで持ってくれ〜。