思いもかけず
夕方、掃除の時間に同僚の男性が部屋に入ってきた。
手に何やら持っている。
かわいいイチゴの模様のついたタオルハンカチの中には、これがいた。
ありゃまあ〜!
・・・・・・・カワセミ・・・。
「ありがとうございます。これどこにおったんですか?」と問うと、
「テニスコートにおったんや。飛べんでじっとしてたんや。」とのこと。
「カワセミですねえ。珍しいですね。どうもありがとうございます。」
と丁重にお礼を申し上げました。
んで、掃除は速攻で終わって、急いで自席へ戻り、まず写真。顔、頭、尾、背中。上から横からもう必死でバシバシ撮りまくり。やっぱ、きれいっすよ。カワセミは双眼鏡ではよく見るものの、何と言っても、この近さ。やっぱり奇麗。
と、見るとどうもくちばしが変。下くちばしと上くちばしがずれている。おまけに上くちばしの先端が3mmほどおれている。かつ、下くちばしは根元のあたりでひびが・・・。更には、そっと指にとまらせようとするも、うまくバランスがとれない。ずでっと寝てしまう。
これって・・・やったな・・・。
そう、恐らくは近所の家のガラス窓に激突したんでしょうな。
さあ、どうするか?折れたくちばしの手当、更には恐らく傷ついている頸椎あたりの治療なんて、そりゃ素人には無理。かつ、獣医たって、近所のそれは鳥さんお断り。ついでに、鳥獣保護センターって、平日の夕方遅く、つーか夜は無理っしょ!ついでに、かなり重体の鳥さん、このまま昇天される可能性が極めて高く、体温を維持できるように、そっと置いて様子をみるしかない!
でも、鳥さんというものは、餌を採らないと、すぐ体力をなくしてお亡くなりになる。カワセミという鳥さんの餌は魚。小魚・・・フナ!
ということで、部屋に置いてある90㎝水槽で飼育している川魚の群れから、一番小さめのギンブナをすくう。
せっかく川から採って来たんだよね。2年あまりも飼育したんだよね。でもしょーがない!
くちばしを開けた瞬間を見計らってピンセットで突っ込んでやると、何とそのまま飲み込んだ。食べたよ!
そのまま、そっと雑巾でくるみ、そこらで見繕った空き缶にそっと入れて、様子を見ることに・・・。
嬉しいっというか、困ったというか・・・・。