タマムシ
夕方、戸締まりをしていた。
クーラーのない部屋は、生き物のために窓をできるだけ開けるようにしている。いくつもある窓を閉めながら、ふと見ると窓際の水槽の中に何か浮いていた。
何・・・・?アブでも飛び込んだか?
と思って見てみると、これが何とタマムシ!あの美しいタマムシでございますよ。喜んで、水の中から引き上げて見ると、水の中から何とか逃げようと、羽根を開いたまま、固まっている。でも、キレイ。
ちょうど良いから標本にしよっと!
と喜んで手に持ったまま、机に戻ると、いつの間にか手の中で羽根が閉じられていた。更によく見ると、微妙に触角が動いている。これってもしや蘇生?と思って見ていると、だんだんに動きは大きく成り、口から若干水をはき出した後、元気よく動き出したではないか。水の中で酸欠になって、仮死状態だったようだ。
で、どうしませう?
せっかくよみがえったものを、標本にしてよいものか?いやしかし、タマムシなんぞ、最近はそれほど頻繁に入るものでもない。ここは是非欲しい気もする。
悩みに悩んだあげくに、結局タマムシは標本に。
さあ、みんなに見せびらかしに行こう。