hyla’s blog

はてなふっかーつ!

恩田陸三連発


 仕事が忙しい。
 なんだか煮詰まっている。
 となれば、息抜きが必要である。


 ということで、図書館で借りてきた。

夜のピクニック

夜のピクニック

ネバーランド (集英社文庫)

ネバーランド (集英社文庫)

禁じられた楽園

禁じられた楽園


 の3冊。

 そして、このところ毎晩一冊ずつ読破して、おかげで眠いです。

 
 にしても、こんだけ連続して読んでも、印象深く残るものがないというのはどうしてだろう。
 
 

 作品としては、どれもそれなりによくかけてはいると思う。

 


 「禁じられた楽園」は、目新しいホラーになっているけど、にしては最後のオチが弱いと思う。あんなのですべて解決できてしまうのは納得いかない。
 「ネバーランド」は、萩尾望都の名作「トーマの心臓」を意識して書いているというのはよくわかる。ドイツのギムナジウムの感じを日本の男子校に移すのはなかなか難しいと思うが、違和感なくできている。けれど、反面お話であるという感が強い。
 一番売れているのは「夜のピクニック」だろうけど、これにしても、話が何か予定調和的で、甘酸っぱい青春のお話って感が否めない。甘酸っぱい話は読後感は悪くない。けど、それだけでは駄目、というか、大人としては、現実社会の矛盾、とか不条理だとか、そういう甘酸っぱさだけではないところが欲しい。

 
 
 高校の国語の教科書に出ている「笑顔」という小説がある。(作家は忘れた)冷たかった母親が死んで、その家の後片付けに娘が行って、そこでいろいろな事を考え、発見していく話なのだけど、「表面的には冷たかった母親だけど、実は深く娘を愛していて・・」なんて予定調和なお涙ちょうだい話ではない。教科書に採録されているくらいだから短い作品なのだけど、どうして、母親は冷たかったのか、本当は娘に愛情を持っていたのか、何度読んでもわからない、と同時に繰り返し繰り返し考えてしまう。決して読後感がいいとはいえない。けれど、考える事で、深く残っていくのだ。

 
 
 
 予定調和は気持ちいい。けれど、残りにくい・・・。



 
 これが同じ作家でも「光の帝国」や「ねじの回転」みたいなSF的要素の強い作品になると、この作家のムードがいい方に作用していて、こう上質アニメ的ないい感じのSFに仕上がってくる。でも、少女漫画でもなくアニメで、普通の人々の普通の尾日常の物語を納得いくように表すのはかなり難しいだろう。そういう感じがある。



 
 とはいえ、気分転換にはええとおもいます。