hyla’s blog

はてなふっかーつ!

危うしマルク


 私が家に帰ると、大抵2匹の犬が我先に駆け寄って甘えてくる。時には居眠りこいてることもあるけど、目を覚まして私に気づくと、盛大に甘えるのはいつも同じ。


 ところが、今日帰ってみると、マルクのお出迎えがない。また、寝てるか?と思いながら居間に入ると、
「何か、マルクの調子がおかしいんよ。」と・・・。


 そこにいたマルクは、横たわったまま、呼んでも立ち上がらない。というか、立ち上がれない。荒い呼吸をしながら、動くお腹に合わせて、前足は小刻みにけいれんしている。目も閉じてしまい、反応がない。心なしか、手足の先も冷たい。


 「夕方のご飯は全部たべたんやけど、それから何か変なんよ。7時頃までは、立ってたんやけど、体がゆらゆらとして、ちゃんと立ってられんみたいで、しまいにこなんなったん。」


 犬の老衰は急激に来るというけれど、これがそう?って、まさか、このまま死んでしまうん?まさか!ホントに?


 犬に耳元で呼びかけても、鼻先に美味しそうなお菓子を差し出しても、全く反応すらしない。このまま死んでしまうのか、と思うと、どうしようもなく、涙が出てきた。




 1時間以上もそうして犬をじっと見ていた。そして、声をかけて風呂に入り、出てきてみると、マルクの寝ている位置が違う。動けたの?マルク。


 「マルク、お散歩行く?」


 声をかけると、よろっと起きあがり、ゆっくりとシッポを振った。綱をつけると、前後にふらふらしながら、歩き出した。行けるようだ。すぐに行こう。風呂上がりだから、パジャマの上に半纏という格好だ。おまけに靴下も片方しか履いてない。だけど、そんなことかまっちゃいられない。そのまま、マルクと一緒にゆっくりと外に出た。


 いつもより、ずっとゆっくりとマルクは歩く。ゆらゆらと危なっかしいが、それでも歩き、しっことウンチをして、家に帰った。 




 しばらくは座る私の傍でぼーっと立っていたが、今はすぐ傍で、眠っている。





 マルクくん。一応、私の希望する君の長生きノルマは20才なんですけど・・・・。



 危うし!