カラスの貯食

　２時頃、近くの川沿いの道を、犬と散歩していた。

　ふと見ると、河原にハシボソガラスがいる。水のそばで、餌を探しているようだ。そこへ、もう一羽ハシボソガラスがやって来た。こちらは、河原をよちよち歩く。うろうろとしながらある場所まで来て、そこで何やら探り始めた。少しくぼんだところにあるこぶし大の石の下にクチバシを突っ込んでいる。そして、何やら取りだして、食べた。茶色い１ｃｍくらいの丸い物。これって・・・、ドッグフードだよね。つまりは、ドッグフードを蓄えていたらしい。

　クチバシを突っ込んではつぎつぎに餌を採りだし、最後には小石をひっくり返して、ようやくその場を離れた。

　次に少し離れた場所に移動して、またもや少しくぼんだ場所を探る。すぐに餌をとりだし、これも食べた。

　
　更に移動して、またもや餌を取りだす。そして、今度は全部食べるのではなく、クチバシに餌をくわえたまま、水たまりに移動した。そして、そのまま水たまりにくわえていた餌を出す。当然ドッグフードは水に浮かぶ。

　
　なんじゃらほい？

　何がしたいの？

　君はアライグマか？

　見ていると、カラスは２，３口水を飲んで、餌を食べ出した。いや食べてはいない。またクチバシにくわえたままだ。そのままうろうろ、うろうろと歩き回る。そして、別の水場に近づくと、そこでも餌を水に浮かべ、またもや水を飲んだ。そして、餌を再度くわえる。

　うろうろ、うろうろ、うろうろ、うろうろ・・・・。

　こうなると我慢比べだ。どうするか、確認しないとこっちも移動できない。犬は帰りたがっているし、道行く人は怪訝そうな目で見ていく。ああ、でもこんな面白い展開を放っておけないじゃないですか！これから彼はどうするのだ？

　見ていると、彼は（性別は不明）やっと一カ所のくぼんだ場所の前で止まった。そこへクチバシにくわえた餌を吐き出す。そして隣に生えていた草をむしり始めた。カラスの力は結構あるし、河原は砂地だから草も容易に抜ける。やがて株ごと引き抜いた草を吐き出した餌の上にのせて、ふっと飛び立った。少し離れた電信柱に止まって、羽づくろいをしている。

　気がつくと、もう一羽は彼が餌をとりだした河原のあたりを探っていたが、やがて諦めたらしく、水に入って餌をとりだした。　

　気がつけば、おおよそ、２０分は立っていただろう。端から見れば、完全に怪しい人だ。

　が、面白い！

　カラスが貯食をするというのは知っていたけれど、結構見てると面白いもんです。カラスの面白い行動については、こちらhttp://db.bird-mus.abiko.chiba.jp/Crow/

　が募集しているし、送ってみようかしらん・・。