着物を見る
朝からバスに乗って、信州大学に出かけた。ここで開かれる日本鳥学会の全国大会に参加するためだ。バスを待ち、バスに乗って、更に降りて歩き出す。と、この人同じ所へ行くよなあ?と思われる人がどんどん増えてくる。
こうチノパンかジーンズにポロシャツか綿シャツ、Tシャツ。女性も地味。アウトドア系もちらほら。まあ、会の種類を考えると頷けることだ。そのまま人の流れについて行き、受付をすませ、口頭発表やポスターを見て歩いた。
その中で、一際異彩を放つ格好の人がいた。どうにも目立つ。だって、着物だもの!
グレーの単衣の紬を着て(単衣を持っている!やるな。)、青色の無地の帯を締めた女性だった。足元の足袋は黒っぽい柄足袋で、半襟も黒だ。初めは30代かと思ったけど、近くで見るとどう見ても20代。親しそうに、別の参加者とも話をし、発表も熱心に聞いていた。
着物は今ブームだし、きっと着物が好き!っていう人だろう。着物の取り合わせだって、カジュアルな着方であることは見ればわかる。
「着物だって服の一種だし、好きだから着てる訳でいいじゃない。」
って人だろう。だけど、そうしたいと思っても、実際なかなか着物で歩くのはしんどい。こんな所は特にそうだろう。なかなか偉いぞ!やるじゃん。良い感じだったので、こそっと写真を撮らせていただいた。
そして、着物姿はもう一人いたのだ。こちらは男性!
何か変わった格好の人がいるなあ、と思った。こちらを向いた所を見てびっくり!着物だ。男性の着物。それも腰までの長髪を浪人のように背中で1つにくくり、顔は髭だぼうぼう。茶色の紬に帯をして、同系色の一つ紋の長羽織を羽織っていた。手には信玄袋で足元は雪駄。
これまた・・・・・。カッコイイとは思う。が、凄いぞ!やるぞ!
その人はごく普通に受付をすませて、ポスターを眺めていた。彼もまた参加者である!
一日、あちらこちらの会場を歩きながら、いろんなものを見た。だけど、一番印象に残ったのは、その二人の着物の人だったりする。
着物で参加しても、ごく普通に受け入れられている大会。
うん、なかなか自由でいいじゃないか。