今度はアメフラシだ!
海に行った。仕事なので、一人ではないし、気も遣うけれど、それなりに楽しい。大潮で、普段は海の中のものたちが良くとれる。その中で、一番好きなのは、アメフラシだったりする。
アメフラシはちょうど大型海中ナメクジといった感じで、アオサを餌としているから、海藻の生える磯には大抵いるのだ。そして、太陽光と熱から逃げるように海藻の下に這い込んで潮が満ちてくるのを待っている。
見つけると、軽くつついてみる。ぷるるっと身を震わせながら、アメフラシは逃げようと身をよじる。手に持ってみる。水分を含んでずっしり重い体が指の間から落ちてきそうになる。そんな風に遊んでいると、当然のことながらアメフラシは頑張って紫色の液を出して、逃げようと頑張る。
ひといき遊んだら、そっと海の中に逃がしてやる。波の動きにつれて、紫色が広がり薄くなる。岩のアオサのそこここには、黄色いひも状のアメフラシの卵が
ある。この辺では「海素麺(うみぞうめん)」と呼んでいる。目をこらしてみれば、紐の中には細胞が並んでいることがわかる。
アメフラシは貝の仲間だったはずで、すると幼生はベリジャー幼生だろうか。どんな風にいつ孵化するのか、一度観察してみたいと思うのだけど、未だにやったことがない。
岩には他にもカメノテだとか、イソギンチャクとかいろいろいる。タイドプールのイソギンチャクをつついて、ヒザラガイをはがし、クロイソカイメンから海水を絞り、イボニシを海に投げ込む。
海から吹く風は、涼しい。
やっぱり外はイイです。