hyla’s blog

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クマバチ

 
 藤棚の藤が咲き始めた。白と紫の2種類で、白い藤の方が少しだけ早く咲く。白い丸っこい花が見事に垂れ下がる。その下に立つと、上からぱらぱらと花や萼が落ちてきた。つられて上を見てみると、黒い体に黄色いお尻が目立つ丸っこいハチが、一心に花の中に潜り込んでいる。クマバチだ。よく見てみると、そこにもここにも。10匹以上いるようだ。
 今頃のハチだと、女王バチか、働き蜂だと女王バチに育てられた第一世代達だろう。これから、どんどん働きバチを育てて、巣を拡大しないといけない。忙しいはずだ。はらはら落ちてくる花弁の多さが、ハチの働きを物語っている。

 
 けれど、そんな生き物がそこにいることを誰も知らない。誰も気づかない。
 忙しげに食堂へ通りすぎてく人は、咲き始めた藤の花さえ見向きもしない。



 風は吹かない。静かだ。
 ただ、はらはらと花が散る。