hyla’s blog

はてなふっかーつ!

いろんなもの

 お昼に自分の席に戻ると、向かいの席の上司が声を掛けてきた。
 

 「お、帰ってきた。何かさっき女子がきて、藤棚のあたりでハトが死んどるいよったで。」
 「ホントですか。藤棚ですね。ありがとうございます。ほなちょっと行ってきますね。」
 

 と、早速にデジカメを持って藤棚へ向かった。中庭には20年ほど前につくられた藤棚がある。そこに向かおうとした足元に何か白いものがあった。直径10㎝弱の丸い塊。細い草の根や動物の毛で出来ている。恐らくはカワラヒワの巣だろう。これはこれで捨ててはおけない。拾い上げてそっと手に乗せた。

 更に藤棚に近づくと、西側の植え込みの辺りに何か白いものが散乱している。白い・・・。そう、鳥の羽だった。羽だけ?本体は?と見回してみると、藤棚のベンチの上になにやらある。白い骨のついたそれは、翼だった。翼は15㎝ほどで、茶色地に少し黒が混じっている。と言うことはキジバトだろう。竜骨突起のある胸骨も見える。翼を拾い、更に大きめの風切り羽を拾い集める。細かな体毛の方はそのまま放置した。繁殖期だし、スズメだのカワラヒワだのが、巣材として持って行くだろう。


 カワラヒワの古巣にキジバトの羽に、確保した大切なものを両手一杯にそっと握りしめて、そのまま机まで持ち帰った。乱れた羽を一枚ずつ丁寧に整えて、ゴミをとり、更には血がついたものは水道で洗った。わら半紙の上に並べて乾燥させる。乾くまでの間を使って、今度は鳥の巣を観察した。
 
 巣の骨格は1,2mmの細い植物の根や茎で出来ている。その根の間にベージュのふわふわしたものが詰まっている。どうやらイネ科の植物の綿毛だ。これだけの巣にするために、いったい何度綿毛をとりに行ったのだろう。いったいどこへとりに行ったのだろう。更に内部には少し粗めの白い毛がある。どうやら犬の毛らしい。敷地には白いハスキーの雑種が飼われている。あやつの毛ではないだろうか。
 
 カワラヒワはありふれた鳥だし、その巣はあまりしっかりと枝に固定されないから、強い風がふくとよく落ちている。これまでにたぶん10個くらいの巣を見たけれど、綿毛で出来た巣は初めてだった。カワラヒワの巣材に対する嗜好性ってどうなっているのだろう、と思う。そして、もっともっと他の巣も欲しいと思う。たくさんの巣を集める為には、どうしたら良いだろう?どんな巣材を使った巣があるだろう?地域によって、用いる巣材は違ったりするのだろうか?


 気がつけば机一杯に鳥の羽、鳥の古巣、鳥の巣図鑑や何かが広がってしまった。そして一人、あれこれと楽しく考えているのだった。


 
 
 こういう事をすると、仕事が進まない。けど、こういう事を全くしなかったら、きっとすごくウツになってしまうだろう。

 
 タバコを吸う人は、タバコで休憩する。
 甘いモノが好きなら、おやつで休憩する。
 アタシは、生き物と戯れて休憩する。


 
 まあ、人それぞれということで・・・・。