ため池の名前
地元のため池の大きさについて、調べたかった。で、図書室にあった「讃岐のため池誌(資料編)」という本を使って調べていた。香川は面積当たりのため池数では全国一というのは小学校でも習うことで知っていたのだけど、そのため池の名前についてはあまり知らない。地元の池でも名前を知らないことは良くあるのだけど、池の名前って改めて見ると、これが結構面白い。
出てくるため池の名前をざっと分類すると、こんな感じになる。
1.その地域の名前をとったもの(まあ、普通)
例 大谷池 星越池 牛ガ谷池 原間池など
2.地名に(上・大・下・新・南・北)などをくっつけたもの
例 中山大池 松崎新池 南蓮池 北蓮池 など
3.場所を示すもの(この名前は結構おかしいものもある)
例 奥の池 境目池 南の池 森の奥池 岡の下池 裏池 前池
4.近くの有名な建物にちなむもの(大抵はお寺とかになる)
例 権現池 観音池 寺池 宮池 薬師池 弁天池 山の神池
5.つくった時代を示すもの
例 大正池 昭和池 古池 新池(ただし「新」と江戸時代のことらしい)
6.人名にちなむもの
例 清蔵池 藤九郎池 十三郎池 武次郎池 オタツ池 京一池
7.池の様子や周辺をあらわすもの
例 にごり池 猪の池 百舌ヶ谷池 蓮池(でも蓮がないことも結構ある) 鹿庭池
8.池の形にちなむもの
例 ひょうたん池 弓池 ます池
で、見ていておかしいのに、例えば「池の奥池」なんてのがある。池の奥ってどの池の奥なんや!それから「墓場池」いくら何でもねえ、というネーミング。それから「心中池」なんてのもある。不吉シリーズである。夜は行きたくないねえ。訛ってますシリーズでは「ショケアン池」というのがある。これはどう考えても「出家庵」だろう。けれど、カタカナ書きで訛ったままなのだ。同じく訛っているのは「坊はん池」。それからなぜだか「キトラ上池」「キトラ下池」古墳があったっけ?「餅食小池」「餅食大池」ってのもある。きっと、誰かがその岸辺で餅を食ったんだだろうなあ。
でも最近になってつくられた池の名前よりは、良いだろう。新しくつくられた池は実に風情のない名前で「工業団地2号池」だったりする。何も考えられなかったらしい。
ホントに眺めていると面白い。眺めながら、一人にやにやしていた。
そしてその中に、あまりにもわけのわからない池の名前があった。その名も「うらんたん池」ひらがなである。「うらんたん」って何?あまりの不思議さについgoogleに打ち込んでしまった。すると、隠岐にある町の由来紹介に同じ語句を発見。何と「浦の谷」らしい。
うらのたに→うらんたに→うらんたん。
・・・・・。
わかるか〜、こんなん!
香川の田舎者として、今や死語となりはてた方言を現在も流暢に使いまくる私も、わからんでないだ〜!
地名って、とっても面白いです。この本イイッス!