hyla’s blog

はてなふっかーつ!

風と共に去りぬ?


  また、ツバメを見に行った。3時。強い風も止んだ。わくわくしながら行くと、これがなーんにもいないじゃないか。ツバメもアマツバメも、全く消えてしまった。どうも、風と共に、行ってしまったようだ。昨日も今日も風の強い所では、まっすぐにたっていられないくらい強い風だ。この風にのって飛べば、何百キロも一っ飛びで飛べよう。


 諦めて、今度は海に行った。大潮だから海はよく引いてむこうの方まで歩いて行ける。干潟にはコチドリがあちこちに。黒白のはっきりした夏羽になっていて、金色のアイリングをこれ見よがしに見せびらかすように歩いていた。台風で、砂地が増えているので、コチドリには良さそうだ。それから、イソシギが相変わらず忙しそうに歩いていた。
 川沿いの道路と横に藪にはスズメがおおかた50羽はいただろう。人が近づくのにも気づかない。それぞれ夢中になって互いにアピールをしている。精一杯に背伸びをして、あるいは尾羽をピンとのばしてアピールをしているのは雄同士だろう。その姿は、これがスズメかと思うほどにきれいだ。集団はまだ繁殖してない若者だという。きっとこうして集団の中でアピールをしあい、カップルが生まれてくるのだろうか。となれば、これは人間なら高校生の集団かしらん。


 海岸から向こうを眺めてみると、海の中にヒドリガモが30羽ほど浮かんでいる。それからウミアイサのぼさぼさ頭が見える。雄雌取り混ぜてざっくり20羽
というところだろうか。突堤の先端では、ほっかむりをして竹竿をもったおじさんが一所懸命ワカメをとっていた。ワカメもアオサも春だから波打ち際一面に生えている。潮が引くと、採り放題。

 
 ふと、足元を見るとクラゲが打ち寄せられていた。あまり見ないクラゲだ。大きさは7.8㎝ほど。3㎝くらいの触手がついた楕円形のクラゲだ。アカクラゲミズクラゲはよく見るけれど、これはなんというクラゲだろう。よく見ると、波打ち際には10個以上ゆらゆら浮かんでいる。風に流されてきたようだ。生きているのか死んでいるのか。水の中にはアメフラシがじっとしている。こちらは元気そうだ。


 ふと、うしろからお尻をついてきたものがある。散歩がてら、と思ってマルクも連れてきていた。マルクは私がウミアイサやらクラゲやらに気をとられている間、じっと大人しく待っていたのだけど、さすがに待ちくたびれたのだろう。「おねえさん、ま〜だ?」と言いたげだ。手を出すと、すっと鼻を寄せてきた。口から首にかけてをざっとなでてやると、甘えて、それからさっと身を返してこっちだと言いたげに歩き始める。

 
 気づけば、もう夕方の光になっていた。光の中で2羽のツバメが舞っていた。
やっぱりツバメは帰っている。引っ張るマルクに小走りになりながら、誰もいない浜辺を歩く。

  
 散歩は楽しい。