チョウゲンを見る
実は思うところあって、1月から近くの川沿いに鳥の観察記録をとっている。一月に一度、いわゆるラインセンサスである。どこまできちんと出来るかわからないし、どんな形に利用できるかもわからない。けど、まあせっかくだし、データとして残しておけたらいいな、と思う。
けど、データとして残しておくためにはとにかく、絶対定期的にデータをとり続ける!と言うことが必要である。暑かろうが、寒かろうがそんなのは関係なし!やることが大事。
そう、今日はそのデータ取りの日だったのだ。昨日から寒い。風はきつい。気温は5℃。火曜日や水曜日なら春だったのにいいいい!と思う。
が、仕方がない。データをとるとはこういう事なのだ。と自分に言い聞かせ、9時過ぎから一人とぼとぼ歩いた。
歩き出してまもなく雲がきた。雲は雪を運んできた。いきなり西風にのって、猛烈に雪が降る。昨日髪を切ってしっかり出ている耳の穴の中に、雪が入るよお。
こんな日にどうして鳥が動くものか!
手が冷たい。
耳が冷たい。
止めたい・・・・。
ええ、でもやるんです。
雪はおよそ15分くらいで納まった。少し日が差して、多少はましになったものの寒いのは同じ。それでも風を受けつつ川の堤防から中を覗くとやたらたくさんのタヒバリが見える。7.8羽はいる。忙しげにそこいらを歩きながら餌をとっていた。
そして、向こうの方にはなぜだかハシビロガモのペアがいた。
さらに海に出ると、満ち潮で水の増えた河口に何かが浮いていた。ん?と思ってみると、ハシビロガモが一羽とコガモが15羽。この川にいたカモは見えなくなっていたので、ひょっとしたら渡りを始めたカモかもしれない。
と、いきなりカモが全部飛び立った。
何よ?何?
わたしゃ何もしてないぞ。何が・・・・。
と思ったら、川の向こうを何かが飛んでいるのに気づいた。ハトより少し大きい感じ。尾が少し長目。色はグレーと茶色。
タカだあ!何?
見ているとそいつは川を横断して、電信柱に止まった。そして、またひょいっと飛び立ってしまった。
グレーと茶色の小形のタカ。何かいた。ええと・・・・・。焦ってフィールドガイドを開いた。
そうこれだあ。チョウゲンボウ!
チョウゲン、チョウゲン、チョウゲンだあああ!
「やったあ、チョウゲンボウみちゃった。」
誰もいなかったのを幸い、一人踊っちゃいましたね。きっちり観察をしている人は珍しくもないかもしれないけれど、ワタクシめは初めてでございました。色といい、スタイルといい、うい奴です。でも、空を舞っていたトビには全く無反応だったのに、チョウゲンボウには即座に反応したカモって、やっぱり相手を見ているんですねえ。
この川では1月にもハヤブサがコサギを狙うところをみました。それからコサギの死体は3体見てます。カワラヒワとかスズメとかの群れもいますし、カモもいます。ドバトも多いし、周りは田んぼだし。これってひょっとして猛禽には絶好の狩り場?
うふふふふ。楽しみが増えました。きっちり観察してたらワシタカ類がもっと見られるかも!次はオオタカとか見られないかしらん。
努力をすると、ご褒美があるのだわ、と実感。
満足!