hyla’s blog

はてなふっかーつ!

タヌキをもらう

 11時頃に電話があった。以前の勤務先の同僚からである。

「朗報やで。」
「何ですか?」
「実はな、タヌキが敷地内で死んどんや。台風で裏山が崩れとってなあ、どうもそこを歩っきょって落ちて死んだらしい。いる?」
「いる。くれるんなら欲しい。」
「ほな、取りにきーまい。」

 ということで、タヌキをもらいに行った。


 タヌキというのは、実に死にやすい、というか、交通事故しやすい動物で、比較的死体をよく目にするほ乳類である。けれど、どうも衝突の寸前驚いて動かなくなってしまうらしく、轢かれると大抵無惨な姿になる。通勤の道を注意して見ていると、タヌキ以外にもハクビシンとかイタチとかウサギとかが轢かれているが、一番無惨になっているのはタヌキだ。だから、タヌキのきれいな死体なんてほとんど見ない。けど、今回のはきれいな状態らしいので、これはやはり欲しいのである。


 「すいません。あの、タヌキの件で・・・。」

と、もらいに行った先の事務に声をかけた。
 
 「ああ、聞いてます。機械室の横に段ボールに入れておいているそうです。そのまま持って帰ってくださいということです。」
 と聞いて、そのまま取りにいった。



 たしかに段ボールがあった。蓋を開けてみる。確かにタヌキ。タヌキがそのままぽんと入れてあった。

 
 うーむ、これだから素人さんは・・・・。


 そう、このまま持って帰るのは少々危険。なぜならば、タヌキというのはこれまたひっじょーに、無茶苦茶に、鬼のようにダニが多いのだ!ダニよ、ダニ!注意して見ると、段ボールの内側の側面にも既にダニが蠢いている。これを、そのまま車に乗せるのは、あまりにも危険。(いえ、車内にダニがいても平気な人はいいですよ。でもわたしゃ嫌ですが!)


 そう、タヌキなどほ乳類の死体を拾ったら、まずはビニール袋に入れて、付着している様々なものが逃げ出さないようにするのが基本。まあこんなこともあろうかとゴミ袋は持参して来たので、即座ゴミ袋につっこんだ。素手では触らないように、ビニール越しに入れて口をしっかり縛る。それから段ボールのダニも処理して、再び箱に入れて持ち帰った。


 動物の死体を拾った時は、すぐに外部計測をして、状況に応じて処理するのが望ましい。でも、私はダニは嫌いだ。ダニというのは動物の体温に非常によく反応する。いくらゴム手袋をしても、そのまま触ろうものならいつダニに食いつかれるとも限らない。ああ、書いている側からかゆくなりそう!
 ということで、ビニールごと体重だけ測り、そのまま冷凍庫に放り込んだ。冷凍のパワーというのは凄い。如何にダニといえども、あるいは体内寄生虫といえども、一気にお亡くなりにならせてしまう。冷凍庫にいれれば、とりあえず一安心なのだ。


 このところ頑張って冷凍庫の中身を片付けていたおかげで、タヌキは何とか冷凍庫に収まった(人間用の冷凍庫ではない。薬品とか、食べるものではないものを入れる冷凍庫である。)でも、3.6kgのタヌキはさすがに鳥とは段違いに大きくて、冷凍庫はきゅうきゅうになってしまった。あまり長くおいておくのはまずかろう。4月になったら、人を集めてイベントで処理したいと思う。


 イイモノをもらった。
 ○○さん、ありがとう!