hyla’s blog

はてなふっかーつ!

久々に山

アカガエルの卵塊


 昨夜は月が出ていたからそろそろ晴れるか?と思ったのに、今日もやっぱり曇っていて、おまけに時折雪が降る。けれど、雪の中近くの山に出かけた。2月で、雨模様の日が続いている。だったら、アカガエルは産卵しているはずで、それを見たくなった。

 
 山の麓には小さな池があって、毎年そこにはヤマアカガエルニホンアカガエルがくる。その卵塊を数えるのが毎年の私の春の行事。けれど、その池は台風23号の土石流で3分の2が埋まってしまった。ちょうど山側の水が流れ込む当たりが産卵場所だったので、まさしくそこがなくなってしまったのだ。たぶん大量の土砂の下に、越冬していたカエルがたくさんいる。けれど、1m以上の土の中から出てくることはできず、きっとたくさん死んでしまっただろう。4月になれば谷筋ではタゴガエルの「グッグッグッグッ」という声もいたる所から聞こえていたけれどどれほど生き残っているだろう。

 
 池に向かうと、池の手前の道の端の水たまりに3個の卵塊を見た。そして池に向かう。残った池の端の見えるたまりをのぞくと、そこでまた全部で7個くらいの卵塊。そして、なぜか土の上にニホンアカガエルの雌が1匹。まだ産卵をしていないその雌は大きなお腹をしていた。触ってもほとんど動かないけれど、まだ生きていて、産卵にはきたものの、寒くなって動けなくなったものらしい。彼女の卵を受精させる雄は現れるだろうか?それに彼女は怪我をしていて、後頭部に避けた傷があった。写真をとった後、そっと水たまりの側に置いた。


 例年ここでは約50個の卵塊を確認していた。それが10個以下。埋もれてしまったカエルはどれほどなのだろう。

 
 そして、アカガエルの観察は終わったのだけど、せっかくだからそのまま登ってみた。以前に来たとおり、道はぼろぼろで、土石流を乗り越えて進む。それでも人が来ているらしく、道をふさぐ倒木は一部切ってあった。ヤシャブシの実をついばむ鳥がいた。シジュウカラである。群れていた。エナガもいる。コゲラの「ギーッ」という鳴き声がしたので双眼鏡を向けると、幹に止まって何か考え込むように首をかしげていた。

 
 連れてきた犬は喜んで走る。15歳になるとは到底思えない。けれど、それでも人間が見えなくなるほどには離れない。先を行って、で、振り返って人間を待っている。人間が近づくと、また嬉しそうに走っていく。ふんふん何かを嗅いでいるので、見るとイノシシの糞だった。山道は、人が通らなくなった分イノシシが通っているようで、そこいら中イノシシが掘り返した後がある。落ちていた糞も新鮮で、きっと昨日か今日の糞だろう。

 
 山道を中腹まで約2時間分登って、帰った。


 
 登り口の養鶏所で会ったおばさんが、
「私はこの辺歩くんが好きでなあ、山の麓をよお歩っきょんやけど、台風でこないになってしもてなあ。いつになったら直るかなあ。ちょっとやそっとでは無理やろなあ。」と言っていた。

 いつになったら直るか、というか、直すことがそもそも不可能なように思う。きっと、木を切り払い、新しい山道をつくるしかないのだ。そして、土石流の後も10年20年するうちに、やがては草や木が覆っていくのではないかと思う。


 そうあと20年たてば・・・・。



 それを見届けたい。
 
 でも、それって、毎年登らなくっちゃいけないわけで・・・・。




 頑張るぞ!