hyla’s blog

はてなふっかーつ!

フクロウの耳

耳の穴


 
 やっとフクロウの標本が、だいたいできた。普通剥製標本は、つくったら乾燥させて終わりである。乾燥するまでに、どうしても2.3日〜1週間くらいはかかる。しかも今回のフクロウは濡れていたので、なお大変だった。何が大変かというと、濡れた羽毛はそのまま放っておくと、乾燥しても糸状になってしまう。それをだ、一本一本指でほぐして、元の羽毛の状態にしていく訳である。そりゃあ大変。でも、ネコののみ取りとか、イヌのダニとりとか、こういう作業って、何も考えずに集中してできるので、そういう点では楽しいとも言える。

 
 さて、そういう作業をして面白いなあ、と思ったことが1つ。それは、耳である。鳥には耳はあるか?というと、そりゃあ鳴き声によるコミュニケーションを行っているわけで、耳がないわけがない。が、いわゆる外に出ている耳殻(みみたぶ)がなくて、外耳道(耳の穴)鼓膜という順番だ。やはり、耳たぶをさして耳というくらいで、そういう耳殻がないと、確かに耳は一見ないように見える。

 では、フクロウの耳はというと、画像の通り!そう、耳の穴が大きい!
(ちなみに、表面についた点のようなものは、プールに浮かんでいた植物の種子です。くっついててしまっている。)
 個体の大きさの割に無茶大きい。耳の穴の大きさは約3㎝。フクロウの体長は約50㎝なので体調の6%になる。身長150㎝の人間に当てはめると、9㎝の耳の穴である。そんな耳の穴は、聖徳太子でも持っていないでしょうな。
 
 が、ふくろうは持っているのだ。フクロウは、ネズミなどを主に食べる猛禽であるが、夜、闇の中でネズミを捕まえるためには、そりゃあネズミのたてる音を敏感に聞き取ることが必要だ。そのためだろうか?ホントに大きな耳の穴。

 
 そして、もう一つ面白いのは、耳の位置である。右の耳は、眼の上側の辺りについている。左はと言うと、眼の中程の辺りに着いている。明らかに耳の位置が左右でずれているのだ!
 耳の位置がずれていると、左右の耳で少しずれた音を音を聞き取れる。ちょうど、左右の眼に入る2つのずれた像を頭の中で処理して立体像を見るように、立体的に音を聞いているのだという。

 


 フクロウの聞く音の世界とは、どんなものなんでしょう。
 面白いものです。