hyla’s blog

はてなふっかーつ!

白い鳥

食べる


 3時過ぎに近くの川の側を通りかかった時に、川の中州に2羽のハシボソガラスがいるのが見えた。白い鳥がその足元に倒れている。カラスたちは、どうやら今まさに、その鳥を食べようとしているところだった。双眼鏡で見てみた。中型の白い鳥。細長い足。黄色の水掻き。長い嘴。コサギである。朝には死んでいなかったから、カラスたちが狩ったのだろう。2羽のカラスは、白い羽根をどんどんむしっていく。

 空に、トビが飛んでいた。どうやら死体の存在に気づいたようで、近づこうとしている。けれど、カラスの方も、そう易々とは手放せない。カラスの方が2羽と言うこともあり、トビは近づけなかった。

電線に止まったトビを尻目に、カラスが食べ始めた。強い嘴を使って、肉をむしる。一口、二口。口いっぱいに頬ばって、まとめてごくりと飲み込む。その瞬間、のど元が大きくふくれる。満足げに首を振り、再び食べる。みるみるうちにコサギは骨だけになっていった。
 白い翼を広げたコサギを食べ続けるカラスは、黒々としてとても美しい。その流線型のラインにほれぼれするする。健康で力強いからこそ、コサギを狩ることも出来たのだろう。

 
 しばらく食べて、さすがにお腹一杯になったのか、2羽のカラスは飛び去った。後には、コサギの骸が転がっていた。


 
 1時間後にまたそこを通りかかったとき、コサギの体は何かが移動させたのか、中州から岸辺に移動していた。その岸辺のコサギの傍らに、じっとアオサギが立っていた。
なぜアオサギがそこに立っていたのかは、判らない。けれど、アオサギはただそこに立っていた。


 誰も見ない冬の河原で、起きていたこと・・。