久々の雨
小雨。香川は夏も冬も雨は少ないものだから、そろそろ鉢植えのものに水をやんなくちゃっと思っていたところで、嬉しい。久々に見た水滴をつけた葉はびっくりするほどにきれいで、眺め入ってしまう。
庭の隅には、椿の苗木が10本少々ある。先生からのもらいものの一枝や、空き地に植わっていた木からもらった枝をさした。何事にもやるときには徹底してやる人間なので、椿の本を買って熟読し、丁寧にさしたらほとんどついた。
その後忙しくなって、苗木はただ水をやるだけで、大きな鉢に植えてやるでもなく、植え替えをしてやるでもなく、なんとなくそこに置いてある。でもそれほどに過酷な条件に置かれているにもかかわらず、それぞれ苗木はつぼみがついて、そのうちの一輪は花が咲いていた。
大きな、ごく淡いピンクの抱え咲きのその花は有名な品種で「曙」という。
黒いような赤の花も、清楚な白花もいろいろさした。けれど、今年我が家で咲いた最初の椿が、私の好きな曙で良かったな、と思った。
冬の盛りの今も、地面にしみ通る水の力を得て花は咲く。
冬芽がふくらむ。
根が伸びる。
だから、雨は好きです・・・。