煩悩

　私は、物持ちです。まず、保有する本の量が並大抵ではありません。かつ、服も、本当に痛んでないとなかなか捨てられないし、着物も持ってます。花を生ける花器も持ってます。
　１年ほど前から、その本の量は遂に、書棚には納まりきれない量になっちゃいました。前後二重において、かつ横積みもして、でも入り切らなくなってしまったので、確実に部屋の中は狭くなり、片づけにくくなり・・・・・。

　で、これほどまでにあふれるモノを持ちながら、それでも最近私はあるモノが欲しい！

　それは、火鉢。

　ええ、判ってます。ええ、アホです。ええ、物好きもほどほどにしなくちゃなりません。けれど、欲しいんです。こう、冬になると、火鉢って良いんですよね。炭をついで、火箸で、整える。おくのはもちろん鉄瓶です。お湯がしゅんしゅんと沸いて、で、美味しい日本茶をのむの。あ〜、いい！で、鏡開きのお餅を網の上でゆっくりと焙って焼いて、砂糖醤油とか、海苔とか、きなことか、ぜんざいもいいよなあ。これがまた、火鉢で焼くと美味しいんだ！

　お茶の先生のところには、昔風の青い陶器の火鉢があります。お茶でつかった炭は、残りを火鉢に移しておきます。お餅も焼きます。で、お茶の先生のところに行くと火鉢をつかい、実感します。良いんですよねえ！

　でも、昭和４０年代に作られた我が家には火鉢がありません。やはり物好きだった亡くなった父が、鉄瓶は買ってます。でも火鉢はありません。欲しいです。ローテクです。不便です。夏場は邪魔になります。だいたい、どこに置くんでしょう。そのスペースがどこにあるんでしょう。

　 でも、欲しいんです！

　先日、ｗｅｂで７万８０００円の関東長火鉢を見つけました。もちろん骨董に近いものですが、ケヤキのきれいな木目で「良い仕事してますねえ。」というモノです。新品は２０〜３０万します。どうせ買うなら、一生モノの良いのが欲しいと思います。が、購入したければ、まず部屋をどうにかしないとダメです。あー、それに今時、何万も払って火鉢を買うなんて、まずバカですよね。判ってます。バカです。

　悩みます。
　欲しいです。

　煩悩は耐えることがありません。

　どうせなら、とっとと売れちゃえ！そしたら買わなくってすむのに！