hyla’s blog

はてなふっかーつ!

読みたい衝動

 T・マグレガーの「繭」を読んだ。640pの長編。これぐらいあれば、そこそこの時間持つ。秋になると、何となく長い本を読みたくなる。

 で、これがどういう本かというと、アメリカのある街で夏にもかかわらず妙に寒い日が続き、人間を含む生物が突然変化していく、という話。皮膚はかぶれたように変化し、寒さを感じなくなり、肉を大量に食べるようになり、そしてやがて皮膚から絹糸のようなものがはえ出す。となりゃあ後は見えてる。タイトル通り、繭になるわけだ。そこに至る過程、繭になりゆく人間に対する人の反応などはよく書けている。が、その後どう変化するか、また変化し出した要因はなぜなのか。地球上の生物全体が変化するとすれば、どのどういう方向へ変化するのか、そのあたりのかき込みがないのが残念。まあ、きっちりしたSFと言うわけではないのでしょうがないだろう。
 
 それにしても、この、「人が繭をつくり、何かに変化する」というモチーフは非常に魅力的なのだろう。さまざまな本や映画でくり返し使われている。映画の「コクーン」もあるし、何かの漫画でも使っていた。そんなことをぼやぼや考えながら、本を読み終えた。
 
 で、読み終えて思ったのが、
 
 J・フィニイの「盗まれた街」を読みたい! ということ 

 連想と言うやつだ。ある本を読んで、別の本の内容も思い出し、読みたくなるというアレ。
 
 
 j・フィニイの「ゲイルズバーグの春を愛す」を読むと、レイサンの「ジェニーの肖像」を読みたくなる。
ブラッドベリの「何かが道をやってくる」と読むと、シオドア・スタージョンの「夢見る宝石」を読みたくなる。
 「ドノヴァンの脳髄」を読むと「ドウエル教授の首」を読みたくなる。
 「人間以上」を読むと、「スラン」が読みたくなる。
 大河ドラマの「新撰組」が始まったときは、眉村卓の「名残の雪」が読みたくてたまらなかった。
 

 どこがどう関連しているか?と言われると、ちょっと説明し難いものもある。でも、私の中では確実に、これらはリンクしているのだ。
 
 これらの本は、全て自分ちにあるということはわかっているので、時間がかかっても探し出すことは可能だ。が、さすがに「盗まれた街」は持っていない。おまけに古い作品だから、さすがに今は店頭では見ない。手に入らないと、余計に読みたくなるもんだ。


 ああっ、読みたい!
 「盗まれた街」が読みた〜い!