流す
トイレに行った。最近、職場のトイレは改装され、新しくなった。以前のトイレは、昭和30年代から使われてきたもので老朽化が進み、遂に全面改装になったのだ。夏から3ヶ月をかけ改装された新しいトイレは、明るくきれいでホテルのようである。個室は広く、洗面所はセンサー式で、手を出せば自動的に水が出る。おまけに洋式便座には、ヒーターまでついている。
が、難点もいくつかある。まず、今までは各階に男女のトイレがあったのだが、それが1・3階に女性用、2階に男性用と分かれた。そして、洋式便座がほとんどで、和式は各階1つしかない。確かに最近、洋式がかなり普及した。家庭用では、スペースの関係もあるし洋式が主流だろう。とはいえ、誰もが使う公共のトイレでは、なんとなく和式の方がいいなと、思うのではなかろうか。
ということで、私は空いていれば和式を使う。和式でも広い個室で、小物を置くスペースもある。当然「音姫」もついている。その時も快適に用をすませ、立ち上がり、水を流しながら身支度を調えた。
と、カチャンと音がした。何かが、水の流れる便器の中に入っていった。
・・・・?
そうだあ、今朝思いつきで「万歩計」なるものをつけていたのだ。
新しいトイレは、水の流れも快適である。気持ちよく、さわやかに水は流れていく。
・・・・・・。
水が止まったとき、そこには何もありませんでした。