hyla’s blog

はてなふっかーつ!

冬の山


 この冬は、この辺としては異例なほどに雨が多い。明るく晴れた冬の空が、なかなか見られないのは寂しいし、カイ君のお散歩的にも困るんだな。

 でも、今日はようやく晴れて、綺麗な青空になった。この辺の紅葉は、今がちょうど一番いい時期で、鮮やかな色合いが青い空に映えて本当に綺麗。そういう景色に気付いたのも、カイ君のおかげと言えるのかな?

 
 太陽が少し高くなると、山道にも光が入り始める。そして、わずかな風が至る所で落ち葉を落とす。

 そして、そんな落ち葉と見紛うように、林床を低く飛び交う地味な蛾が、ここにはたくさんいる。これは、クロスジフユエダシャクなのかな?光の当たるところには、殊に多くて、ざっと数えただけでも20匹以上が飛んでいた。枯葉に覆われた明るい森の小道を、ひらひら、ひらひらと舞うフユシャクの光景には、ひたすら見入ってしまう。これだけ飛んでいるのだから、翅のない雌の蛾もどこかにいるはずなんだけど、上手く見つけられなかった。まだ、こういうものを探すのに慣れていないね。


 そうやって、私が小さな生きものを見ている間、カイ君はカイ君で、山の斜面をじっと見つめ、そして急な斜面をものともせずあっという間に尾根まで駆け上り、駆け下りてくる。この山には、鳥も獣もたくさんいるから、カイ君にとってはわくわくする環境だろう。 
 とはいえ、まだまだ未熟だから、獲物を持って帰ったことはおろか、すぐそこにいても気付かないことの方が多い。


 道端に落ちていたこのノウサギの毛も、私の方が先に見つけたものだ。何かに食べられたんだろう。


 昔飼っていたマルクは、ここで綺麗なアナグマの頭骨や、死んだばかりのイノシシを見つけてくれたんだけど、カイ君はまだまだそれには及ばないね。
 早く賢くなってくれたまえ。