hyla’s blog

はてなふっかーつ!

春の海


 時間がとれそうなので、休みをとった。やろうと思えば仕事はあるけど、やりたいことも有給もたっぷりある。ということで、本日は海岸へ。

 久しぶりに来た海岸には、中学生をつれた家族連れがいて、岩場近くで何かを採っていた。海の色は緑が濃くて、もう植物プランクトンがたくさん発生しているのだろう。瀬戸内海は、春は緑色で、夏には濃い青になるけど、私はこの時期の海の色の方が好きだね。


 岩場ではもう、柔らかな緑の海藻が一面に伸びていて、如何にも美味しそうだ。波打ち際には緑のフンが落ちていて、これはきっと海藻を食べたヒドリガモのフンだろう。ここの海岸にもたくさんヒドリガモがいるけど、フンはそれほどたくさん見ない。きっと、たまたま陸上でフンをしても、あっという間に分解されるのだろう。ここの荒い砂の中には、小さな生き物がたんまりいる。
 

 
 例えば、波打ち際近くには、小さな黄色のトビムシがいる。これらのトビムシは、きっと海岸の微少なハネカクシ達の良い餌になっているだろう。
 砂の中では、海のワラジムシも活動を始めていた。写真のこれは、明らかに先が尖っているから、多分ニホンハマワラジムシ。ハマワラジムシの仲間はこの辺の海岸では割とよく見るけれど、かなりたくさんの種があってきちんとした同定はなかなか難しそうだ。新しい日本産土壌動物があれば、ちょっとはわかるのか?日本産土壌動物はかなり欲しいけど、価格はともかく置き場がなあ〜。迷う…。
 


 そして、砂の中からはこんなものが出てきた。

 これは、イソハネカクシと、黒っぽくてちょっと太いもの。こういう丸っこい体型をしたハネカクシには、大きさの違うものが何種かいるようだけど、今回はこれがたくさん採れた。


 下のこれも、きっとこの時期によく活動するもの。上は素人は考えるだけ無理なものだから、ムリハネカクシ類(仮称)とでもしておこう。それから、下のものは去年も見た頭に点のある首の細いハネカクシで、私が勝手にコケシハネカクシと呼んでいるもの。だって、頭の点を眼、それに長い触角を三つ編みと見れば、コケシ人形のようでもあるよね。これは、色が薄く、体も柔らかいので、ペラペラハネカクシと同じで酷暑の夏は苦手なのだろう。


 それに比べると、下のこれは割といつでも見るウミセミハネカクシの仲間。ただしこれも種によって微妙に発生のピークは違っているような気がする。暑い頃には大きい方が多かったけれど、今回は明らかに真ん中のものが多い。上がウスアカウミセミゾ、真ん中が只のウミセミハネカクシで良いのかな?これらは今繁殖期らしく、トレイの中で交尾するものを頻繁に見た。
 更に一番下のものは他のものより更に小さいし、別種と考えて良いのかな?体長は乾燥の程度で大きく変わったりするけど、あまり変化しない上翅の幅と長さも違うよね?私の気のせいでは…ないよね?ウミセミハネカクシの仲間でより小さいから、ヒメウミセミハネカクシと呼んでおこう。ただし、これはごく少ない。差があまりに小さくて、採ったものをきちんと並べて比較していかねば、気づかないのもあるだろうけど、そもそも個体数的にも採れていない気がする。今回も、うんざりするほど採れたウミセミハネカクシに混ざって、2個体のみだった。


 同じく、違っていると言って良いのかどうなのか、迷うのがこれ。ウミベトガリハネカクシの仲間のような気がするのだけど、この仲間自体は割とよく見るのだけど、でも上の個体は明らかに全体に華奢で、上翅の幅と長さも違うような…。


 ということで、海岸にも春は来ておりまして、一気に様々なものが採れるようになりまして、全くもって訳わからん!
 生き物の世界は謎だ。