hyla’s blog

はてなふっかーつ!

謎の等脚目

 昨日の海岸で、岩礁ハネカクシを採っていたとき、一緒に見つけた物がいる。石をひっくり返すと、時々そこにオレンジっぽい、3mmほどの小さなものが見えたのだ。小さくても、色合いの鮮やかさが結構目立って、何かな?と思って採って来た。それを実体顕微鏡で見たら、こんなだった。
 



 虫と一緒に吸虫管で採って、酢酸エチルに入れたから死んで変色しているけれど、でもこれって…ワラジムシ?それともフナムシ?等脚目は間違いないけど、フナムシなのか、ワラジムシなのか…。ハネカクシと同じくらいの大きさで、同じように潮が満ちれば海水に浸ってしまうような岩礁地帯の石の裏にいたけど、そんなところにワラジムシなんている?

 この辺が載っていそうなのは土壌生物図鑑だけど、これも持っていないので、「海岸」「ワラジムシ」「フナムシ」「岩礁」なんて言葉で検索をかけていって発見したのが「ニッポンヒイロワラジムシ」という生き物。「5mm以下で、かなり良い自然海岸の飛沫帯にのみ生息」とあるし、何より「緋色」なんて言葉を名前につけたくなる鮮やかな色合いは、確かにこれもそうだ。これも鮮やかな、ピンクっぽい色合いだった。
 
 
 ニッポンヒイロワラジムシは、山口県のレッドデータでは、「情報不足」に指定されていて、生息が確認されているのは「新潟県、石川県、富山県茨城県隠岐島熊本県、三宅島」とある。けれど、そもそも1986年に記載されたワラジムシらしいし、こんな小さくて、しかも限られた生息域にいるものを好きこのんで調べる人も少ないだろうから、実際にはもう少しいろんなところにいるものだろう。別の検索では、大阪湾の夷崎というところでも確認されている事がわかった。まあ、でもこれがニッポンヒイロワラジムシならば、瀬戸内海初ではなくても、四国初くらいにはなるのかな。

 が、そう言い切るためには、本当にこれがニッポンヒイロワラジムシかどうかを調べなければならない。でも、等脚目の同定なんて…orz。しかも、同じく自然海岸の飛沫帯には、これの他「ニホンハマワラジムシ」というのも居るのだそうだ。ワラジムシとかコツブムシとか、スナホリムシとか、全然知識も資料もないのに、これはかなり難しいなあ。専門家でないと、難しいだろうなあ。ああ、これが何なのか、知りたい!


 とりあえず、追加採集して、液浸標本だけでも作っておくかな…。

 って感じで、標本が増える…。