hyla’s blog

はてなふっかーつ!

和むもの


 今年もまた、近くの池でプランクトンを採ってみた。

 ため池にプランクトンネットを入れて引くと、肉眼でもわかるくらい小さな緑がたくさん採れて、ボルボックスが去年以上に当たり年になっている。
 

 そんなボルボックスを、捨てるのはもったいない。そのままビーカーに入れて明るい窓際においておけば、この時期は何もしなくても増えてくれる。毎日時間をちょっとだけとって、実体顕微鏡で眺めて見ると、綺麗な水の中でくるくる回り続ける緑のボルボックスは本当に綺麗で、それだけでとても嬉しい。更に、1週間たった今日見ると、底に緑の平たいものが見えて、小さいけれどクンショウモも出てきていた。


 で、こうして増えるのを見ていると、ついついそのまま継続培養できないものか、と考えてしまう。

 
 去年も同じように考えて、赤玉土を用いた二層培地で培養にチャレンジしたのだけど、6月の終わり頃になると、綺麗な緑だったボルボックスは内部にオレンジ色の生殖組織を作り、有性生殖をして消えてしまった。もちろんそのため池には、少なくともここ5年は季節になるとボルボックスが出現するから、季節になりさえすればまた手に入る。1ヶ月は、放置しても観察できる。けれど、やっぱり培養できたらいいなと思ってしまう。


 また二層培地でやってみて、それから石灰石を入れたバージョンなんかもやってみるべきか?今が一番良い頃だから、もっと一杯ネットでとってきて、たくさん培養してみたら、一つくらい成功するものもできるかもしれない…。


 とボルボックスを見ながら考えてしまい、実際にそういう事をやり出すから余計時間が無くなる。万が一成功しても、蒸留水だけつぎ足せば室温管理で維持できるミドリゾウリムシのように簡単にはいかない。ボルボックスは植え継ぎしないと維持できないはずだ。そのたび、培地を用意するのにどれだけ手間がかかることか。成功すれば、また更に時間をとることになるのだ。けれど、それでもちょっとへたれた気分の時に眺めると、こういうのは何だかとても和む。


 
 だから、仕事としてやるべき事は頑張る。その代わり、勤務時間外には仕事だけでなく、好きな事やらせてもらおう。
 何とか今週中に培地をつくって、もっとたくさんボルボックスをとってきて、失敗しても培養するぞ〜。