遊ぶ遊ぶ遊ぶ
起きたら、昨日からの雨はまだ止んでいなかった。
木曜日なので、FITの虫を回収しにいかないといけないのに雨とは…。そもそも同定に難ありだから、学術的にきっちりしたものにはできないし、ならば必ず一週間ごとに必ず回収しなくてもいいとは思う。けど、一端回収日がずれると、なし崩し的に何もかもできなくなるような気がするのだ。ので、休みだけどやっぱり採りに行きたい。
と思ってたら、昼から雨は上がった。スバラシイ!
と言う事で、山へ向かった。
山へ入る手前には、クロナガアリがいる。「先週は、クロナガアリの女王が驚く程たくさんいたけれど、今週はもう全く見えない。」とか書こうと思ったのだけど、歩きながらチェックしてみると、まだまだいる。歩いているものもいるし、地面に巣を作ろうとしているものも、やっぱりまだ見える。
よく見ると、写真中央のように汚れた身体の女王もいた。一昨日からかなり長い雨が続いたので、掘った穴が雨で埋まってしまって、それを修復しているのかな?とも思ってみた。ただ、羽のある小型の雄アリらしきものもいたので、今日も女王は結婚飛行に飛んだのかもしれない。
1匹で歩いていた女王を、たくさん女王が集まって巣を掘っているところにいれてみた。ところが、前回同じようにしたときには、すんなりと巣の中に入っていったのに、今回は絶対に巣には入ろうとしなくて、強引に誘導しても逃げ惑うばかりだった。不思議なことだ。
アリを見るために屈み込んでいると、地面に3mmほどのハネカクシが歩いているが目についた。地面には他にもたくさんのアリが歩いていて、ひょっとしてこれが噂に聞く好蟻性ハネカクシというものなんだろうか?と考えて見た。雨が上がれば活動を始める生き物は多いから、ただのハネカクシかもしれない?けれどまあ、とりあえず一応回収してみた。でもきっと、どれだけ眺めてみても結局ハネカクシの一種ということだけが、わかるんだろう。
そんな事をやっていると、素直に歩けば10分もかからない道のりなのに、時間がかかることこの上ない。
けれど、タンポポの花ではハチが花粉にまみれているし、あっという間に大きくなったイタドリにはイタドリハムシが見えるし、既にチョッキリが葉を巻いている。ねばねばしたモチツツジでも、葉が巻かれているし、何とも妙ちきりんな姿のアブの仲間?も見える。
となれば、やっぱり見たいじゃないか。撮りたいじゃないか。どうせ休日だし、1人だし、雨が上がったばかりのこんな日に山に来る人はいない。のんびりやって悪い事は、何にもないのだ。
と言う事で、FITの回収に藪へ入った時には既に1時間は過ぎていただろう。藪の緑は本当に鮮やかで、眺めを楽しみながらFITに近づいて驚く。
ええええーーーーーーっ!
ええっと、丸山式FITって、こんなものまで採れるの?これって、スズメバチだよね。それも、(写真は撮り忘れたけれど)実は3匹採れている。しかも、1匹は明らかに5cmはあって、オオスズメバチの女王バチだろうと思われた。回収の液には腐敗防止に酢酸をいれているのだけど、それに引き寄せられたのだろうか。
こういうのが入るのは、普通の事なんだろうか?。珍しい事なんだろうか?
とにかく驚いた。
で、回収を終えて、やっぱりうろうろする。
このところは雨続きでしかも気温も上昇したから、いろんな所に様々なキノコが見える。当然そこにはキノコムシらしきものも大量にいて、ダニにまみれながらも、一生懸命キノコを食べている。真っ黒だし、こんなものを採っても多分同定はできないだろうなあとは思いつつ、一応はやっぱり回収してみた。
硬いキノコや、柔らかいキノコ。それぞれで違ったキノコムシがいるのは面白い。
そうやっている間にも、近くの池からはヤマアカガエルの鳴き声が聞こえてくるし、藪の中からはハルゼミのきしるような鳴き声が聞こえていた。
もう、この季節はたまんないよね。
でも、たったあれっぽちの場所で3時間以上かかるってのは、遊びすぎ。
回収した虫の処理が明日になっちゃったい。