hyla’s blog

はてなふっかーつ!

難しいミッション

 「自然にあまり興味がなく自然で遊んだ経験もない15〜16歳30人強に、海岸で海の生物に触れさせて、楽しさと科学的に探求する態度を養成しろ」とのミッションが下った。ちなみに、その真の目的は「理系ってたのしー」って思わせることだ。

 うん、理系を増やすのは、必要だし良いことだと思う。が、ちょっと条件厳しすぎやしないか?


 そもそも干潟の生物を見るには、潮の干満が大きく制約を加えてくれる。次いで時期と時間。これは5月初旬の午後と決められている。大潮くらいなら潮もよく引いていろんなものが見える。けれど、当日は50cmしか潮は引いていない。かつ、伸びた海藻も5月は一段落してる。フナムシや海綿動物やイソギンチャクなんぞがわんさか見られる時期には早い。しかも、この辺はほとんどが礫海岸なので、いわゆる砂干潟ならいる生物が、見られない。海岸性の植物もショボイ。昆虫も早い。この条件で、どうしろと…orz。


 そりゃ、その条件でも、私個人なら楽しめる。でも、そもそも自然体験したいと思っているわけではない、強制参加させる参加者に、この条件で楽しませるなんて、プロの学芸員でもなければ難しかろうに…。
 ったく、こういうのは、相当な知識と経験が必要ってことわかってる?
 
 そこまでの力は私には無い!
 …んだけどやれと言われりゃ、やらざるを得ない。



 と言う事で、休日の午後なんだけど、指定された場所ではない何カ所か心当たりの海岸をチェックしてきた。


 まずは、海藻がいい海岸。ここは、海藻はよく伸びているし、潮が引けばウニとかヒトデの類も採れる。海浜植物もあるし、個人的には背後に迫る山の植生が見事なのが好きだ。
 乾燥した花崗岩からなる山の急斜面に一杯に、へばりつくようにウバメガシと  から成る森林が一面に広がっている。ここまで典型的に綺麗なウバメガシ林はなかなか見られないのではないか。特に、この時期には様々な色合いの新芽と花で微妙なコントラストが実に綺麗。

 
 

 が、これはそういうのに興味を持つ人間なら受けるだろうが、知識と経験が無ければただの緑。しかも、ここは移動時間がかかる。潮の関係で、時間を持たせる子供を引きつける魅力的な動物が採れない。と言う事で、没。




 続いて、別の河口に向かった。


 車を止めて、川岸に下りると、川岸にはこんな穴が山ほど見える。こうしたものには詳しくないけれど、カニの穴。もっと小さな穴は、ゴカイ類だろう。こうしたものを掘ってカニなんかを採れば、生き物に興味のない人も、それなりに楽しめるはずだ。

  

 
 それに、汽水域が割と広くて、スジアオノリがたくさんあるし、潮が引くとシギ類が集まってくる。
 
  
 
 この時期、海上にもヒドリガモが群れているし、サギ類もコンスタントにいる。
 石の下にも、大小様々なカニ類や小さな巻き貝がたくさんいる。
 砂浜に打ち上げられた海藻の下には、この時期でも山ほどのハネカクシがいて、ついでにそれを狙うクモが徘徊している。
 それから海浜植物も、ハマダイコンハマエンドウハマヒルガオオカヒジキにハマゴウなんかも見える。

 
 距離感もほどほどだし、ここかな〜?


 ここなら、「大きさの異なる砂や礫の浜は多様な環境を作り出し、それぞれに応じた生物が住むことにより、生物の多様性が…。」なんて話に落とし込めるだろう。
 ったく、ろくに知らない事なのに、にわか勉強で知ったかぶりして話さなきゃなんないのはつらいなあ〜。



 こちなみに、ここで個人的にツボだったのは、これ。コツブムシ。瀬戸内だからいろんな色がいて、見せる材料としてこれを大量に集めさせても楽しかろう。いろんな色がいることに理由について考えさせても良い。

 


 けど、それより純粋にカワイイ。では、ちょいピンボケですが、かわいらしさをどぞ。



ええと…。

いっかな〜。

う〜んしょ、うんしょ…。

やたっ!

 



 でもって、瀬戸の夕暮れを見て、ちょっと和んでみる…。