hyla’s blog

はてなふっかーつ!

「コンピュータが仕事を奪う」

片付けをしながら、ついつい正月用に図書館で借りてきた本を読み始めてしまった。

で、今日読破した本はこちら。

コンピュータが仕事を奪う

コンピュータが仕事を奪う


 タイトルを見て、確かどこかのブログで誉められていたよな、とぱらぱらめくってみると、前書きの段階でも平易で読みやすい、わかりやすい文章で、迷わず借りだした。
 そして、つい手にとってがんがん読んでしまい、いや〜、面白い。この方の文章はいい。こんなにわかりやすく説明をできる人は、なかなかないだろう。


 本では、コンピュータとは何か、歴史をひもときながらコンピュータの計算のやり方を解説してくれる。そして同時にコンピュータの苦手な事はなにかを教えてくれる。それは、「論理と言語を駆使して高度に思考し表現すること。」「五感を用いた情報処理。」
 そして、今後のコンピュータの情報処理能力の向上によって、今あるホワイトカラーの仕事の多くは消えていくだろうから、そうした「論理と言語を駆使して思考・表現する」=数学力を磨くことが必要だろうと述べる。


 この予言は、今着実に現実のものになってきているように思う。ホワイトカラーの仕事でも、特に事務仕事は消失しつつあるのではないか。一方で、身体性を伴うような作業を持つ仕事で得られたデータを、コンピュータで処理できるようにする仕事は恐ろしく膨大な量になった。そして、今は多くの人が従事しているこうした仕事も、そのうちにコンピュータの処理能力が上がれば、これもまた消えていくのだろう。


 五感を用いるような作業は、低賃金にしかならない。だから、論理を言語を駆使して思考する力を私たちは磨き続けるしかない。これから育っていく若者にも、そうした力を身につけてもらうよりない。
 と言いつつ、暗記と知識をベースにした日本の教育はすぐに変化できないだろう。解答のある問題しか解かず、わからなければ答えを与えてもらうことに慣れ、何でもググったり掲示板に質問して解決する若者に、そうした力を身につけてもらう最もよい方法は、多分答えの無い問題にチャレンジすることだろう。大学における卒業研究は、社会に出る直前の、最後にして唯一の自分1人で取り組む答えのない問いだ。卒論指導が、(特に今は)恐ろしく手間のかかる作業となっている事は容易に予想できる。けれど、きちんとそれをクリアできたとき、得られる力は社会を生き抜く武器になる。だから、大学の先生も学生もウツにならずに頑張って欲しいなと思う。


 それとさ、「論理と言語で思考して表現」されたものって、それってSFじゃね?



 つーことで、社会を生き抜く力をつけるために…。
 若者よ。SF読みにならんかね?